研究課題/領域番号 |
20K21577
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分52:内科学一般およびその関連分野
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
中曽 一裕 鳥取大学, 医学部, 准教授 (30379648)
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研究分担者 |
岩田 正明 鳥取大学, 医学部, 教授 (40346367)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | ミクログリア / xCT / xc-系 / グルタミン酸 / ファージディスプレイ / アルツハイマー病 / 認知症 / 分子標的療法 / 抗体療法 / アルツハイマー 病 / 抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はミクログリア膜タンパク質をターゲットとした,認知症に対する新規抗体療法の可能性を探るものであるが,(1)標的抗原xCTが正常時の脳にはほとんど発現せず,種々のストレス環境下でその発現が誘導され,正常細胞・正常脳が抗体のターゲットになりにくいこと,(2)ADだけでなく,DLBや内科疾患に随伴する認知症にも応用可能であること,(3)細胞外に放出されたグルタミン酸に起因する他の症状(うつ症状や身体活動性低下)にも効果が期待できること,という点で独創的であり,極めて大きな可能性を含む研究である.
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研究成果の概要 |
認知症の抗体療法を目指し,xCTを標的とした抗体を作成した.xCTはミクログリア細胞膜に発現誘導されるタンパク質であること,細胞外にグルタミン酸放出することからxc-系/xCTは抗体療法の有望な標的である.細胞外ドメインのアミノ酸配列を使用し,ファージディスプレイ法により5種の候補抗体を得た.ウエスタンブロットにより,取得したいずれの抗体もxCTを認識することを確認した.また,ミクログリア株化細胞において,アルツハイマー病関連刺激としての重合化Aβ添加でxCTの発現誘導を確認した.現在ADマウスモデル切片を用いた組織免疫染色,細胞を用いた抗体によるxCT阻害実験を行っている.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,抗体を利用した認知症治療の研究が進められてきた.アルツハイマー病におけるAβ抗体療法もその一つだが,有意な効果が認められないか,自己免疫性脳炎等の副作用により,実用レベルには至っていない.抗体治療を試みる場合,「いかに正常タンパク質を攻撃しないようにするか」が重要であり,標的とすべき抗原は,正常時には発現がなく,認知症時にのみ発現誘導されるものが理想である.本研究では条件を満たす抗原として,シスチン・グルタミン酸交換系トランスポーター「System xc- (xc-系)」の構成分子 xCT に注目し,認知症全般に応用可能な,かつ副作用の少ない抗体療法の可能性を探る.
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