研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究で申請者らは、肝線維化の組織病態に関連する間質蛋白と糖鎖修飾構造の解析を進め、分子標的治療薬開発の開発を目指す。本研究の遂行により、従来対症療法に留まっていた肝硬変、さらにNASHに対し、組織病態を積極的に改善させ、肝発癌リスクを低下させる新規クラスの薬物,核酸、細胞療法が創出される可能性がある。本研究では、肝線維化、肝発癌やC型ウイルス肝炎患者のDAA治療後症例の血清を対象とした糖鎖修飾構造の包括解析を行い、病態の進行、軽快に関連する蛋白、分子を探索する。同定された候補分子については、化合物ライブラリー等を用いた阻害活性物質の探索を進め、治療標的としての解析も進める。
我々は、肝星細胞を標的とした細胞・薬物療法による肝線維化の組織修復を促進する治療法を開発するため、血清・細胞内の包括的糖鎖修飾解析を行い、下記の成果を得た。1.血清糖タンパク質糖鎖の包括的解析をおこない、組織障害のステージに有意に関連する修飾糖鎖構造およびそのキャリアタンパク質として、IgA、Fibronectinをはじめとする複数の蛋白を同定した。2.培養肝星細胞活性化に関連するmicro RNAの包括的解析を施行し、miR-29a、miR-449a、その他特定のmiRNAが関連することを示した。3.培養肝星細胞の活性化に関連する。
肝線維化に関連する患者血清中の複合糖鎖解析とその機能解析から抗体薬等の開発の可能性を見いだした。また、血清分泌型microRNAの網羅的探索、MSC培養液から肝線維化抑制効果を担う蛋白、小分子の探索など、多くの治療標的を同定し、創薬につながる基盤を形成することができた。今後、同定された候補miRNAの制御遺伝子のpashway解析、さらにanti-miRNAによる発現抑制が星細胞活性化抑制、肝線維化抑制効果をもたらすか否かを検証する。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件、 オープンアクセス 5件)
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