研究課題/領域番号 |
20K21605
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
有賀 純 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (10232076)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 機能性消化管障害 / シナプス接着分子 / 機能性ディスペプシア / 過敏性腸症候群 / 遺伝子改変マウス / 脳腸相関 / 不安障害 / 抑うつ障害 / 疾患モデル動物 |
研究開始時の研究の概要 |
機能性消化管障害とは、慢性の腹部症状を呈するにもかかわらず、検査によって器質的疾患(がん、潰瘍など)が認められない機能性の消化器疾患群であり、機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群が含まれる。病態の理解に「脳腸相関」の重要性が明確になっているが、未だ不明な点が多い。申請者らは、中枢神経系と腸管神経系に発現するシナプス接着分子「LRR膜貫通タンパク質群」を欠損するマウスでは神経学的症状の他に消化管機能が変化している可能性を見いだした。LRR膜タンパク質遺伝子変異マウスを対象にして、多角的な解析を行うことにより、「LRR膜タンパク質が脳腸相関の生理的な調節にどのように関わるのか」を明らかにする。
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研究成果の概要 |
LRR膜貫通タンパク質ファミリーのシナプス接着分子を欠損するマウスでは複数の系統で不安・うつ・感覚障害などの神経学的異常に加えて、原因不明の軽度の体重減少が起きる。「LRR膜タンパク質は神経系と消化管の機能的なつながり(脳腸相関)を制御しているのではないか」という仮説のもとに、LRR膜タンパク質欠損マウス群における消化管機能の異常探索、分子マーカー解析、LRR膜タンパク質の消化管における分子作用機序の解析を行った。LRR膜タンパク質欠損マウス群の体重変化、摂食行動および消化管機能に関するデータを取得することができ、仮説の検証に必要な新たな遺伝子改変マウスの作成に着手した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の完遂により、以下の点が期待できる。 (1)脳腸相関の実体を分子レベルから、より良く理解することができる。(2)機能性消化管障害の治療法改善に貢献できる。(3)機能性消化管障害と不安・抑うつとの関係性について、新たな仮説を検証でき、新たな研究展開につながる。(4)この研究の過程で作成された遺伝子改変動物は成果発表後、公共の実験動物リソース維持機関で維持され、医学生物学研究に広く利用されるようになる。
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