研究課題/領域番号 |
20K21607
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分53:器官システム内科学およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中本 伸宏 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (40383749)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 急性肝不全 / 樹状細胞 / 形質細胞様樹状細胞 / CCR9 / CCL25 / 細胞療法 |
研究開始時の研究の概要 |
急性肝不全は致死率が高く、欧米では第一選択の治療法として肝移植が選択されるが、本邦ではドナー不足の問題を抱えており、内科治療の進歩が喫緊の課題である。抗ウイルス治療や人工肝補助の目覚ましい進歩が認められる一方急性肝不全の救命率の向上には至っておらず、本疾患の治療標的となる原因物質、または原因細胞の同定が急務である。 今後、急性肝不全にに対してpDCを用いた細胞療法を臨床応用するために下記の点を明らかにする。 1. ヒトpDCの抑制性機能の検証、マウス同様の機能を有するか 2. ヒトpDCのin vitro増殖能の検討、細胞移植に用いる細胞数を確保することが可能か 3. 自己pDC投与による安全性の検証
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研究成果の概要 |
私たちはこれまでに有効な治療法が乏しい急性肝不全の病態を改善させる免疫学的機序として、形質細胞様樹状細胞pDCが、TH1細胞およびその産生する肝炎悪化因子IFN-γを抑制していることを報告した。本申請研究において、pDCを肝炎急性期の傷害肝により効率的にデリバリーさせる分子メカニズムを明らかにし、自己骨髄細胞を用いた将来的な臨床応用への橋渡しを行うことを目的とした。小腸ホーミングレセプターとして知られるCCR9を欠損させたpDCを用いると、pDCの肝臓への集積が促進され肝障害の軽減作用が増強されることが明らかとなり、より効率的なpDCを用いた急性肝障害の病態制御の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性肝不全は非常に致死率が高く、欧米では第一選択の治療法として肝移植が選択されるが、本邦では圧倒的なドナー不足の問題を抱えており、内科的治療の進歩が喫緊の課題である。本研究は従来肝臓の自己再生、肝臓移植までのブリッジング治療として行われてきた人工肝臓補助、副腎皮質ストロイドを用いた急性肝不全に対する内科治療の治療体系を変革する可能性がある挑戦的研究である。実臨床における実現性の点においては今後解明すべき課題があるが、ヒト臨床サンプル、モデルマウスの検討に基づく研究成果であり今後のさらなる前進が期待され、本研究成果が社会に与える影響力も大きい。
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