研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究では骨髄内の酸素分圧の可視化と局所操作技術を確立し、骨髄の酸素分布を解明し、酸素動態が造血幹細胞の運命に及ぼす影響を解析する。具体的にはまず、骨髄の各種細胞の可視化系を多光子レーザー顕微鏡によるin vivoイメージング技術を用いて確立し、次いで酸素分圧分布をりん光プローブを用いて可視化し、さらには骨髄へ薬剤を直接送達する技術を高精細化して酸素分圧を局所操作する技術を確立した上で、造血幹細胞への影響を明らかにする。
骨髄環境の酸素分圧が造血幹細胞維持や血液細胞産生を制御することが知られている。本研究では多光子レーザー顕微鏡と生体染色、遺伝学的レポーターを利用して、生体骨髄内でランドマーク付きのin vivoイメージングを可能にした。とりわけ、骨髄内の酸素分圧の分布とその変化を解析可能にした。また、骨髄の酸素分圧を局所操作する技術であるTCA法を利活用して、組織内の造血幹細胞動態や酸素分圧分布に生じる変化の有無を検証した。
In vivoイメージング技術は、生体臓器内の細胞の“生きざま”を直接観察する手法であり、各細胞の時空間動態や、細胞間相互作用を明らかにできる。本研究でin vivoイメージング技術をすべての血液細胞を生み出す造血幹細胞とその近傍のニッチの研究分野に導入し、酸素分圧との同時イメージングが可能となった。今後は骨髄内の細胞社会で生じる各種のイベントや、疾患・病態における変容を高い時空間解像度で検出可能になることが期待される。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 4件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (15件) (うち国際学会 1件、 招待講演 7件) 備考 (1件)
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