研究課題/領域番号 |
20K21626
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野澤 宏彰 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80529173)
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研究分担者 |
石原 聡一郎 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00376443)
川合 一茂 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (80571942)
園田 洋史 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80770205)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大腸癌 / 神経周囲侵襲 / 神経侵襲 / 神経栄養因子 / 閉塞 / perineural invasion |
研究開始時の研究の概要 |
閉塞性大腸癌に対するステント治療が本邦において広く普及してきている。pT3以深の大腸癌ではperineural invasion (PN)は比較的高頻度にみられる所見であり、またPNが予後因子であることから、PNに関わる分子の機能を抑制することは進行大腸癌の予後改善に貢献すると考えられる。PNという第4の癌の進展経路は大腸癌ではあまり注目されてこなかったが、neurotrophic factorや受容体がPN促進にどのように関わるかをin vitro, in vivoで解析し、さらにそれらや伝達経路の構成分子に対する阻害剤が抗腫瘍効果を示すか検証し、新たな治療体系の構築を目指す研究である。
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研究成果の概要 |
閉塞性大腸癌に対するステント留置により神経侵襲(Pn)が増加し、閉塞性大腸癌でもPnが増加することが報告されている。本研究では腫瘍口側と肛門測にわけてPnを評価し、閉塞癌では口測のPn陽性率が上昇し、ステント留置例では肛門側のPn陽性率も上昇することを見出した。ゆえにメカニカルストレスが局所のPn出現に関与すると考えられた。 メカニカルストレスをin vitroで再現する系として培養細胞における伸展刺激を考案し、複数の大腸癌細胞株でBDNFなどの発現上昇を確認した。先行して一過性のERKのリン酸化を伴うことから、ERKがneurotrophic factor再生に関与する可能性が考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Pnが予後因子であることから、それを規定するneurotrophic factorやさらにその上流にあって発現を制御する分子を解明することで、新しい大腸癌に治療標的となりうる可能性がある。特に閉塞性大腸癌に対するステント留置は予後の観点からガイドライン上推奨されるレベルになっていないが、上記の標的治療を組み合わせることで予後が改善し推奨レベルにまで上がってくる可能性もある。治療選択肢が広がるという意味で多くの患者への恩恵につながると考えられる。
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