研究課題/領域番号 |
20K21632
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分55:恒常性維持器官の外科学およびその関連分野
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
泉谷 裕則 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (90419200)
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研究分担者 |
坂上 倫久 愛媛大学, 医学系研究科, 講師(特定教員) (20709266)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 大動脈弁狭窄症 / 石灰化 / リン脂質 / 骨芽細胞 / 大動脈弁 / AS / 脂質代謝 / プロスタグランジン / 弁膜症 / 脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
大動脈狭窄症(AS)は大動脈弁が石灰化することによって起こるが、薬物治療法も早期診断法も存在しない。最近我々は、石灰化由来弁間質細胞(VIC)と非石灰化由来VICの遺伝子発現パターンを比較した結果、非石灰化VICに比べて石灰化VICで有意に発現亢進が認められた遺伝子としてプロスタグランジン代謝酵素を発見した。本研究では脂質代謝酵素であるPTGS1が、どのように細胞分化とリンクするのか、またそのクロストーク機構がどのようにAS病態に関わるのかについて明らかにする。
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研究実績の概要 |
大動脈弁狭窄症(AS)は大動脈弁組織に石灰化病変を生じることで発症するがその分子メカニズムは未だ不明である。本邦においてはAS罹患率は増加傾向にあり、その分子メカニズムの解明と新たな治療薬の開発が期待されている。これまでの研究から、大動脈弁間質細胞を骨芽細胞分化培地で維持すると、細胞膜の構成成分であるリン脂質を原料として、様々な生理活性脂質分子へと変換させる分子シグナル系に必須の酵素群の遺伝子発現が亢進することを見出してきた。今年度ではこれらの酵素群の発現レベルを実際の石灰化大動脈弁組織の空間的情報を紐付けた形で解析を進めた。その結果、リン脂質からプロスタノイドを産生するイニシエーターとしての役割を担う酵素の遺伝子発現レベルが石灰化組織周囲で極めて高いこと、また、その後の様々な生理活性を発揮するプロスタノイド合成に必須である酵素群が大動脈弁肥厚部分で強く発現することを新たに見出した。現在は動物モデルを用いて、AS発症における当該シグナル系の果たす役割について更なる解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大動脈弁間質細胞特異的に脂質代謝経路を阻害する遺伝子改変マウスの作製に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
大動脈弁間質細胞特異的にプロスタグランジン代謝系を阻害する遺伝子改変マウスを用いて、大動脈弁石灰化や大動脈弁肥厚、さらにはASの重症度をエコーを用いて解析することで、AS発症におけるプロスタグランジンが果たす役割の全容を解明する。
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