研究課題/領域番号 |
20K21641
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
齋藤 竜太 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10400243)
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研究分担者 |
下田 由輝 東北大学, 大学病院, 助教 (30815444)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / CED / アミロイドβ |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病に関して近年、精力的に研究が進められており、アミロイド蛋白の蓄積を可視化する研究が進められている。この中で、早期におけるアミロイド蛋白の蓄積は全般性ではなく、脳のある部位に特に蓄積が多くなる傾向があることが判明しており、アミロイド蓄積部位の局所治療が功を奏する可能性が示唆される。これまでに脳内広範囲薬剤送達技術によりアミロイド蓄積を低減できる可能性を確認しており、本研究では脳局所のアミロイド沈着を解除する新規治療法の開発を行う。
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研究成果の概要 |
アルツハイマー病モデルマウス5xFADを用いて開発した超音波併用脳内局所広範囲薬剤投与法を用いた薬剤投与による新規治療開発を目指した。マウス脳内では、パラフィン切片を免疫抗体染色で染めることにより安定してアミロイド蓄積を評価する系を確立した。その上で、ネプリライシン、クルクミンは上記投薬で有効な薬剤分布が得られることを確認した。さらに、これらの薬剤を用いてアミロイド蓄積を解消することを試みた。結果としてネプリライシンが最も安定してアミロイド斑を低減させることを確認した。その上で、5xFADマウスを用いて、海馬への投薬技術を安定化させて、海馬へ投薬を実施した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アルツハイマー病は、認知症を起こす代表的な病気の一つであり、日本での認知症患者数は、2012年現在462万人といわれ、2025年には700万人にまで増加すると予測されている。本疾患は、脳の中に「アミロイドβ(ベータ)タンパク」が蓄積し、このタンパク質の毒性により神経細胞が破壊されて神経細胞数が減ることで発症する。通常本疾患では脳の萎縮は、海馬のあたりから始まって脳全体へと拡がる。つまり病初期には、アミロイド蛋白の局所的な集積がある。これはアミロイドPET検査などで同定されている。従って本研究で確認したように脳局所薬剤投与によるアミロイド蛋白の低減は、新規治療開発につながる可能性がある。
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