研究課題/領域番号 |
20K21656
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分56:生体機能および感覚に関する外科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
山本 ゆき 岡山大学, 環境生命科学学域, 准教授 (20645345)
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研究分担者 |
木村 康二 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (50355070)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 精細管 / 器官培養 / 3次元バイオプリンター / 精原細胞 / 3Dバイオプリンティング / 3次元培養 / バイオプリンター / 精子形成 / 組織工学 |
研究開始時の研究の概要 |
不妊カップルの約半数は男性に原因があるとされており、そのおよそ 9 割が造精障害によるものである。つまり、もし健康な精子を体外で産生させることができれば、半数近くの不妊を解決できることになる。精子は精巣の精細管内で形成されるが、各分化段階の生殖細胞は長い精細官の中で一定の順序で周期的に現れる (精上皮周期)。体外での精子形成を達成するにはこの精上皮周期の再現が可能となる管状構造が必要であると考えた。そこで本研究では、細胞やコラーゲンなどの細胞外基質を 3 次元的に描き出す「3D バイオプリンター」を用いて、特殊な精細管内構造を再現する「人工精細管」の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では3次元バイオプリンターによる精細管の構築を目指し、未成熟ウシ精巣から細胞の単離・培養条件とプリンティング条件の検討を行った。生殖細胞の精細管内への維持には10%ウシ胎子血清を含む培養液を用い、ホルモン添加またはレチノイン酸添加の影響を検討したところ、ホルモンは細胞の増殖や生殖細胞の局在に効果を発揮しなかったが、レチノイン酸添加では Ki67 を発現する生殖細胞の割合が増加した。 またバイオインクとして市販の ポリエチレングリコールジアクリレートとゼラチンメタクリロイルの混合割合を検討したが、細胞の定着・増殖する条件と3次元構造物の形態を維持する条件が一致せず、更なる検証が必要となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果から得られた情報をもとに、バイオプリンターを用いた精細管の構築条件や培養条件をさらに改良し、人工的に3次元構造を作りそれを用いて精子形成を体外で再現できれば、男性不妊治療の発展に大きく貢献することが期待される。完全な体外精子形成の手法は未だマウス以外で確立されておらず、マウスの手法でも精巣組織の培養が必要であり完全な in vitro システムではない。生体組織を要しない精子形成システムを開発することで、ヒトのみならずさまざまな動物の生殖学研究・繁殖・保全に寄与することが期待できる。
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