研究課題/領域番号 |
20K21692
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
千葉 満 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (20583735)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 脂肪肝 / NASH / バイオマーカー / microRNA / エクソソーム / 肝線維化 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / リキッドバイオプシー / miRNA / マイクロアレイ / miR-29 / コラーゲン / パスウェイ解析 / 細胞外小胞 |
研究開始時の研究の概要 |
NASHは不可逆的な病態である肝硬変や肝癌への進展リスクがあり,初期の段階での発見が病態進展予防に不可欠であるが,これまで炎症による肝細胞傷害や線維化の兆候を同時に捉えることのできる初期NASHの診断に有用なバイオマーカーはいまだ開発されていない。エクソソームは血中にも存在しており,様々なリボ核酸を内部に安定的に保持しているため様々な病態のバイオマーカーとして注目されている。本研究課題では血中エクソソームに着目し,肝硬変への進展リスクのあるNASHを初期状態で発見できる新たなRNA診断バイオマーカーの発見を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究成果によって、NASH誘発マウスにおいてmiR-122-5p、miR-192-5p、miR-22-3pは肝臓で発現が減少し、血清中で増加したことから、これらのmiRNAは肝細胞障害によって肝細胞から血中へ漏出したことが予想された。一方、miR-342-3p、miR-34a-5p、miR-7118-5pは肝臓・血清中で共に発現が増加しており、これらのmiRNAは細胞内発現亢進による分泌増加が予想された。これらのmiRNAは新規NASHバイオマーカーの有力な候補となる可能性が示唆された。今後これらのmiRNAのうち、線維化マーカーとなる血清中miRNAの有用性について検討していく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではNASHの早期診断を目指した新たな血清中miRNAバイオマーカー候補を複数同定した。これらが将来初期NASH診断バイオマーカーとして利用されれば、脂肪肝患者が初期の肝線維化状態に進展しているかどうか、今後肝生検が必要であるか、などの定量評価が可能となる。早期のNASH診断により肝硬変や肝癌への進展予防が可能となるため、肝疾患の予防医学での臨床的意義が非常に大きい。
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