研究課題/領域番号 |
20K21760
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
浮穴 和義 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 教授 (10304370)
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研究分担者 |
岩越 栄子 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 特任准教授 (50311296)
福村 圭介 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 助教 (10880049)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 新規脳因子 / 小タンパク質 / 肥満パラドックス / 脂肪蓄積 / 骨格筋 / 運動 / エネルギー代謝 / 標的組織 / 受容体 / 運動欲求性 / 白色脂肪組織 / 遅筋線維 |
研究開始時の研究の概要 |
過体重の方が生命予後に有利に働くという「肥満パラドックス」が存在する。研究代表者らが発見した新規脳因子であるNPGLは、運動が制限された状態では脂肪蓄積を亢進させるが、血糖値や血中脂質濃度を上昇させない。本研究では、NPGLが肥満パラドックス形成の要の因子であると考え、白色脂肪組織における脂質代謝関連遺伝子発現量、脂肪酸含有量、異所性脂肪蓄積や血中脂質濃度上昇の防止機構を解明し、更には、運動欲求性を高める可能性を検証することを目的とする。
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研究成果の概要 |
我々は、視床下部因子であるneurosecretory protein GL(NPGL)を発見しており、ラットやマウスにおいてNPGLが過食や肥満を引き起こすことを見出している。本研究の目的は、肥満状態であっても健康状態を維持する肥満パラドックスの形成機構にNPGLが関与している可能性を検討することである。本研究では、高脂肪食給餌により肥満マウスを作製し、回転ホイールでの自発運動が可能な状況下で、体重や脂肪量などを解析した。その結果、NPGLは肥満マウスにおいて筋肉内のエネルギー代謝を活性化させ、遅筋線維を増加させることで持久力を高め、自発運動量を維持させる働きがあることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満は万病と元とも言われ、昨今の先進国における飽食の時代には,糖尿病や高血圧症などの生活習慣病の原因とされている。一方で、動物における脂肪蓄積は、エネルギー貯蔵に加え、繁殖や生命維持に必要不可欠な生命現象である。さらに、肥満状態であっても良い健康状態を保っている肥満パラドックスも知られている。本研究では、新たに見出した脳因子のNPGLが作用すると、肥満状態であっても運動量の低下が生じず、骨格筋重量の増加や骨格筋中のエネルギー代謝が上昇することを見出した。つまり、NPGLが肥満パラドックスを誘導している可能性を示した。動物の脂肪蓄積と筋組織維持の制御メカニズムに新たな知見を加えることができた。
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