研究課題/領域番号 |
20K21761
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
増田 真志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 講師 (50754488)
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研究分担者 |
大西 康太 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 講師 (80723816)
大南 博和 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (90803057)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 老化 / SASP因子 / Lipoquality |
研究開始時の研究の概要 |
加齢と共に増える老化細胞から分泌されるsenescence-associated secretory phenotype (SASP) 因子が、加齢性疾患の発症に関わっている。老化細胞の除去は生体にとって有益であるが、ヒトに応用するには遺伝子改変に頼らない食事からの治療・予防法の開発が必要である。細胞内外のストレス刺激に応答して形成される異常タンパク質の凝集体 (アグリソーム) は、様々な疾患発症に関わる。本研究は、老化細胞から分泌されるSASP因子やアグリソームを脂肪酸の質の違いにより削除する戦略を構築するために、老化細胞や老化モデル動物を用いて検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、加齢性疾患の発症に関わる老化細胞から分泌されるsenescence-associated secretory phenotype (SASP)因子を削除する戦略の構築とその分子機序の解明を目指す。 マウス線維芽細胞株NIH3T3細胞を用いて継代数を重ねることで細胞老化を誘導してリン酸の細胞老化への影響を検討した結果、培養培地へのリン酸添加による細胞内のSASP因子の遺伝子発現変化に対する影響は、P9よりもP40の方が小さかった。以上から、細胞老化が進んでいない細胞に対する細胞外リン濃度の上昇は細胞老化を進行させる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
加齢と共に増える老化細胞から分泌されるSASP因子は、個体の老化を更に加速させて様々な加齢性疾患を発症させる。また、脂質の多様性が様々な生理機能や病因の中心的な役割を担うことが明らかになり、脂質の量ではなく質 (lipoquality) が注目されている。加齢性疾患の慢性腎臓病で上昇する血中のリンはlipoqualityを変化させることでオートファジー不全や小胞体ストレスを誘発する結果、血管石灰化を引き起こすことが分かっている。本研究の成果は、血中リン濃度の上昇を抑えることでオートファジー不全や小胞体ストレスだけでなく細胞老化の進行も抑制できる可能性を示した。
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