研究課題/領域番号 |
20K21767
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
|
研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
辰巳 佐和子 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (80420545)
|
研究分担者 |
桑原 頌治 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (70645209)
|
研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 骨細胞 / 栄養 / 加齢 / ミネラル / ミネラル代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
骨細胞は加齢に伴い減少する細胞である。骨細胞はネットワークを形成し、栄養素の受け渡しや情報伝達を行うと考えられているが、詳細は不明である。これまでの我々の研究より、骨細胞ネットワークの破断は、1)骨代謝異常、2)ミネラル代謝異常、3)脂質代謝異常を生じ、老化に伴う疾患である、骨粗鬆症、慢性腎臓病、筋萎縮、痩せや寿命短縮を誘発する可能性を見出した。そこで、「骨細胞が栄養センサーの役割を担い、その破綻は全身性の栄養代 謝障害を介して老化を促進する」という新しい概念提示し、証明する。本研究成果は骨細胞ネットワーク維持によるアンチエイジング栄養・運動療法の開発、高齢者のQOLの向上に繋がる。
|
研究成果の概要 |
骨細胞は自身や骨の他の細胞とネットワークを形成する。そのネットワークを介して、栄養素の受け渡しや情報伝達を行うと考えられているが、その詳細はよくわかっていない。 本研究において、骨細胞ネットワーク破断マウスを作成し、栄養代謝を詳細に解析した。その結果、骨代謝異常、ミネラル代謝異常、脂質代謝異常を生じ、老化に伴いリスクが高まる骨粗鬆症、慢性腎臓病、筋萎縮などが重症化することがわかった。さらに骨細胞ネットワークが再構築されると、それらの病態が改善した。 本研究結果は、「骨細胞が栄養センサーの役割を担い、その骨細胞ネットワークの破綻は全身性の栄養代謝障害を介して老化を促進する」可能性を示唆する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超高齢社会にあるわが国では健康寿命の延伸を目指す研究は喫緊の課題である。研究成果より、加齢に伴う骨細胞ネットワークの破綻が栄養代謝不良を加速させる可能性が明らかとなった。この成果は、骨細胞数、骨細胞ネットワーク維持のための運動療法、栄養療法に展開でき、老化を伴う疾患、栄養障害、フレイル予防にもつながると考えられる。そのため、さらに研究を進めることで、健康寿命の延伸、医療費削減が期待できる可能性がある。そのため、本研究成果は、社会的、学術的意義があると考える。
|