研究課題/領域番号 |
20K21770
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分59:スポーツ科学、体育、健康科学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 (2021-2022) 獨協医科大学 (2020) |
研究代表者 |
小金丸 聡子 京都大学, 医学研究科, 特定准教授 (40579059)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 経頭蓋磁気刺激 / ニューロフィードバック / 神経疾患 / 運動誘発電位 / 抑制性神経 / 運動学習 / 皮質内抑制 / 一次運動野 |
研究開始時の研究の概要 |
経頭蓋磁気刺激(TMS)により、一次運動野(M1)を刺激すると、筋電図上、運動誘発電位(MEP)が生じる。MEPの振幅を被験者にフィードバックし、被験者が内因性にMEP振幅の大きさを変化させることを学習する『TMSニューロフィードバック学習システム』を用いることで、TMSニューロフィードバック学習により脳内神経活動を内因性に変化させることを学習させ、脳内神経活動の制御を目指す。健常者においては、新たな学習法の確立をめざす。また患者においては異常な神経活動を内因性に修復することを学習させることにより、新たな治療法の確率をめざす。
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研究成果の概要 |
TMSにより一次運動野(M1)を刺激して誘発される運動誘発電位(MEP)の振幅を被験者にフィードバックし、被験者が内因性に振幅の大小を変化させることを学習する『TMSニューロフィードバック学習システム』により、脳神経疾患患者において、異常をきたしている神経活動を内因性に改善させ、機能障害を回復させるか予備的に検討した。その結果、脳卒中患者では、IHI増強が可能となった。パーキンソン病患者では、SICIを増強できた患者においては、UPDRSの運動項目に改善が認められる傾向があった。脊髄小脳変性症患者でCBIを増強できた患者はバランス機能が改善する傾向があった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本TMSニューロフィードバック学習法により、少数例の神経疾患患者において、内因性に障害のある神経活動の制御を学習可能であることが示された。障害機能の回復については、より詳細な検討が必要であるが、本手法は従来の薬物治療やリハビリテーション治療概念を大きく転換させる可能性をもつ。本手法では学習が成立する部位の神経生理学的機能が明らかであるため、障害部位が明らかな器質的脳神経疾患により応用しやすく、本手法の利点が証明された。より簡便なシステムで実現できることも本システムの利点である。本研究成果は、医学のみならず、意識や意志、運動学習、社会神経科学など様々な脳科学の課題解決に寄与する。
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