研究課題/領域番号 |
20K21793
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 高史 京都大学, 情報学研究科, 教授 (20431992)
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研究分担者 |
Bian Song 京都大学, 情報学研究科, 助教 (00866030)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 物理的複製困難関数 / 特性ばらつき / 認証 / セキュリティ / PUF / 物理的複製困難回路 / PUF / ハードウェアセキュリティ |
研究開始時の研究の概要 |
半導体チップの真贋判定やユーザ間の認証等に用いるため、所与の入力に対しランダムかつチップ毎に一意の応答を出力する物理的複製困難関数(PUF)回路が提案されている。製造ばらつきを積極的に利用することで、PUF回路は同一回路構成であっても入力に対する出力応答(CRP)が全てのチップで異なる。本研究では、ばらつきを利用するため制御不可能と考えられていたCRPを、製造時に限定的に複製する回路を提案する。これにより、予め決めた数からなる半導体チップのグループ内では全てCRPが等価であり、グループ間では従来のPUF回路と同様にCRPが全て異なる、という特徴を持つ新たなPUF回路が作成される。
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研究成果の概要 |
物理的複製困難関数(PUF)回路は、製造時に制御できない特性ばらつきを用いることで、回路の入出力関数に相当するチャレンジ・レスポンス・ペア(CRP)が個体ごとに異なっているため個体識別等に有効である。本研究では、これまでのPUFと同じ性質を持つと同時に、限定された個数のPUF間では、CRPが共有される限定的一時複製を可能とするPUF(CPUF)を提案した。CRP空間が比較的狭いweak CPUFとCRP空間がチャレンジに対して指数的に広いstrong CPUFの回路構成を具体的に示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
偽造品や悪意ある改ざんが施されたいわゆるハードウェアトロイを含む半導体部品の流通が懸念されている。PUFは半導体の真贋判定やユーザ間認証の手段等として提案されているが、PUFの性質である「複製困難性」のために、CRPを持つサーバとPUFの物理的実体を持つユーザとの間の1対1の認証のみが可能であった。しかし、必ずしもデータベースとの通信機能を持たず、1対1での認証が求められる応用は多い。本研究は、共有的な秘密情報をPUFの実体により分散して保持することにより、CRPをデータとして中央集権的に保存することを不要とするCPUFの設計を与えるものである。
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