研究課題/領域番号 |
20K21798
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分60:情報科学、情報工学およびその関連分野
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
桑門 秀典 関西大学, 総合情報学部, 教授 (30283914)
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研究分担者 |
廣瀬 勝一 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (20228836)
満保 雅浩 金沢大学, 電子情報通信学系, 教授 (60251972)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 量子複製不可能性定理 / 対称暗号 / Groverアルゴリズム / 倍ブロック長圧縮関数 / 装置の不正複製防止 / 量子複製不可能定理 / 鍵の遠隔無効化 |
研究開始時の研究の概要 |
ユーザが使用するデバイスにディジタル情報をユーザに秘匿して内蔵しているアプリケーションは少なくない.このようなアプリケーションには,デバイスが解析されて,その秘密のディジタル情報が漏洩するリスクがある.このリスクは,メモリアクセス制限等の既存技術では排除できないことを示す実例がある.本研究では,情報をディジタルではなく,量子状態で保存することで,量子複製不可能定理を根拠とする,情報の漏洩を原理的に防止できる方式の創出を目指す.さらに,本研究では,この方式に量子もつれ状態にある量子ビットを導入して,デバイス内の情報を遠隔から完全に消去できる機能を追加する.
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研究成果の概要 |
秘密のディジタル情報をユーザが使用するデバイス(装置)に保存しているアプリケーションには、ユーザの内部解析により秘密のディジタル情報が漏洩するリスクがある。本研究では、情報を量子状態で保存することで、情報の漏洩を原理的に防止できる方式を考案した。この方式では、攻撃者に与えられた量子状態に対して一般化Groverアルゴリズムによる振幅増幅を行っても、有益な情報が得られる確率が無視できることを示した。また、ランダムオラクルと非暗号学的置換から成る倍ブロック長圧縮関数の衝突を量子コンピュータを用いて発見しようとするとき、そのクエリ計算量が最大となる非暗号学的置換の十分条件を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の社会的意義は、メモリアクセス制限等の既存技術では解決できないデバイスの内部解析による情報漏洩の問題を量子複製不可能定理によって原理的に解決する点にある。そのためには、情報をディジタルビット(古典ビット)ではなく、量子ビットを用いた量子状態に符号化する必要がある。最近、その優れた並列計算能力が注目されている量子コンピュータの実現に向けて研究開発が盛んに行われているが、量子コンピュータが実現できれば、本研究の方式も実現することができる。
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