研究課題
挑戦的研究(萌芽)
本研究は、従来の手法では観測が困難であった外洋域表層環境の微細スケール構造の実態を現場での直接観測により解明することを目的とする。目的達成のため、調査船を中心とした従来の観測手法に加えて、最近進展が著しい水中ドローンや空中ドローンに各種センサを取付けたIoTの技術を駆使した手法を開発することで、外洋域表層環境における従来の現場観測手法にブレークスルーをもたらし、新しい海洋環境学の構築に貢献することを目指す。
本研究は、従来の手法では観測が困難であった外洋域表層の微細スケール構造を自動観測する手法の開発を目的とした。そこで、 (1) 水中ドローン (SEASAM/Notilo Plus社) にメモリ式水温・塩分計(A7CT2-USB/JFEアドバンテック社)を取付けて、(2) 海面に係留したGPS搭載ブイ(SEASAM-Navigator/Notilo Plus社)経由で、(3) 調査船上からコントローラ上で設定した水中ドローンの移動経路をWiFiで水中ドローンに送信することで、水平方向を5 m、鉛直方向を0.1 mの解像度で水温・塩分を3次元的に自動観測するシステムを新たに開発した。
本研究で新たに開発した水中ドローンによる海洋表層微細構造の自動観測システムは、従来の観測手法ではアプローチが困難であった、潮目、海上風の吹送作用、波浪のストークスドリフトやラングミュア循環等に伴って海洋表層に生じた水塊の3次元微細構造を直接観測することが可能である。本システムは、水中ドローンに航行に支障のない範囲で多様な複数種のセンサ類を追加することが可能であり、沿岸域から外洋域まで、注目する環境因子の3次元微細分布構造を直接明らかにすることで海洋環境研究に革新的な進展をもたらすことが期待される。
すべて 2023 2022 2021 2020 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 6件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (23件) (うち国際学会 7件、 招待講演 2件) 備考 (3件)
Regional Studies in Marine Science
巻: 62 ページ: 102964-102964
10.1016/j.rsma.2023.102964
Nature Communications
巻: 13 号: 1 ページ: 5298-5298
10.1038/s41467-022-33019-z
Aquaculture, Fish and Fisheries
巻: - 号: 3 ページ: 179-188
10.1002/aff2.39
Progress in Oceanography
巻: 200 ページ: 102713-102713
10.1016/j.pocean.2021.102713
J. Oceanogr
巻: 77 号: 1 ページ: 55-74
10.1007/s10872-020-00582-2
40022471976
Global Change Biology
巻: 27 号: 19 ページ: 4771-4784
10.1111/gcb.15749
ICES Journal of Marine Science
巻: 77 号: 7-8 ページ: 2669-2680
10.1093/icesjms/fsaa130
http://lmr.aori.u-tokyo.ac.jp/feog/kosei/photo.html
http://lmr.aori.u-tokyo.ac.jp/feog/kosei/