研究課題/領域番号 |
20K21847
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分63:環境解析評価およびその関連分野
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
今岡 啓治 山口大学, 大学研究推進機構, 准教授 (50725869)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | GNSS / 水蒸気 / 可降水量 / 低コスト / 移動体 |
研究開始時の研究の概要 |
豪雨の早期検知などの観点から、高頻度・高密度の水蒸気観測が必要とされている。車載型の低コスト全球測位衛星システム(GNSS)受信機により精度良く水蒸気を計測することができれば、高密度の水蒸気観測網を構築できる可能性がある。本研究では、1・2周波の低コストGNSS受信機を用いた水蒸気計測システムを構築し、固定点において天頂大気遅延量と水蒸気量の精度評価を行うとともに、車載状態での位置・姿勢安定性や受信状態などの影響を評価する。これにより、将来の高頻度・高密度水蒸気観測システムの可能性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
豪雨の早期検知などの観点から高頻度・高密度の水蒸気観測が必要であり、低コストGNSS受信機の活用が期待される。本研究では、車載型の低コストGNSS受信機を用いた高密度な水蒸気観測網構築を目標として,2周波の低コストGNSS受信機を用いた水蒸気計測システムを構築し、電子基準点やラジオゾンデ観測との比較を通じて推定精度を評価した。その結果,低コストGNSS受信機システムは電子基準点とほぼ同等の水蒸気推定性能を持つことを示した.車載状態においては良好な推定性能を示すことができなかったが,少なくとも固定観測点の増設による高密度観測網の構築には十分活用できると考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
平成30年7月豪雨における線状降水帯に伴う大雨や大型台風の上陸頻度増加など,地球温暖化の影響と考えられる極端な気象現象の頻発が近年問題となっている.このような風水害に備えるためにはその兆候をいち早く把握し,対応のリードタイムを確保することが重要である.本研究成果は,降水に先行する水蒸気の挙動の高頻度・高密度な観測網の構築に資するもので,防災の観点から社会的意義を有する.また,近年市場に展開されている低コストGNSS受信機による水蒸気観測の精度を,ラジオゾンデ観測との長期比較により初めて直接的に検証した点に学術的意義がある.
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