研究課題/領域番号 |
20K21871
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分64:環境保全対策およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
伊藤 克敏 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(廿日市), 主任研究員 (80450782)
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研究分担者 |
中村 龍平 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (10447419)
伊藤 真奈 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(廿日市), 研究員 (60735900)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 環境電位 / 底質汚染 / 電位操作 / 底生動物 / 硫化物量 / 硫酸還元菌 / 細菌叢解析 / 酸揮発性硫化物 / 菌叢解析 / 汚染耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
海洋底質汚染は一様ではなく、ほぼ同地点・同一条件においても汚染度合いが異なる底質が存在することがしばしば見受けられる。我々は、新たに環境電位という指標から、①「汚染に強くなる底質」②「電位操作により浄化が著しく促進される底質」が存在することを確認した。このことから、底質には、「底質環境のわずかなバランスを操作することで、底質が保有する自浄活性を劇的に高めることが可能」という仮説にたどり着いた。そこで、本研究では電位を指標として、底質の物理・化学・生物的特性の様々なパラメータを取得し、浄化機能が賦活化される条件を特定し仮説の証明を試みる。
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研究成果の概要 |
産業活動の盛んな沿岸域の一部では、深刻な底泥汚染が進行している。故に海底環境の状態を迅速に把握し汚染の進行を食い止めることが重要である。 本研究では底生動物の代謝や運動性と連動する環境電位という指標を用いて、有機物を負荷した際の底質及び、人為的に底質を正の電位に操作した際の底質環境因子の変動についてそれぞれ検討した。その結果、有機物付加直後から電位および細菌叢の変動が認められた一方で、環境基準でもある酸揮発性硫化物量(AVS)は遅れて増加し24時間程度のタイムラグがあった。人為的に電位を操作した実験では、底質菌叢が改変されると共に、AVSの値を対照区に比べ有意に低下させることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の実施により、有機物による環境負荷は、環境を汚染させる原因という固定観念を覆すだけではなく、適切な、有機物負荷は、底質の自浄作用を増加させる。この結果は、過剰な有機物負荷により、深刻化している養殖場底質の汚染問題解決の糸口となるばかりでなく、電気化学の最大の利点である「任意のタイミング」で「任意の大きさ」の電流を底質環境に作り出せるという特徴を利用した、革新的かつ実践的な環境改善技術開発に向けた多くの『芽』を含んでいる。
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