研究課題/領域番号 |
20K21907
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分90:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
松原 勤 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (20628698)
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研究分担者 |
鳴瀧 彩絵 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10508203)
湯浅 明子 (小島明子) 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 准教授 (90295709)
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研究期間 (年度) |
2020-07-30 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | エラスチン / 臓器被膜 / 機能性ブロックポリペプチド |
研究開始時の研究の概要 |
臓器は実質臓器(細胞)とそれを包む膜(被膜)で出来ているが、これまでの臓器の再生医療研究は、細胞に関する研究が多く、被膜に関する研究はほとんどされていない。肝臓における被膜(肝被膜)は、弾性線維(エラスチン線維)が豊富な伸縮性のある膜である。本研究は、天然エラスチン構造を基盤として開発したブロックポリペプチドを利用した伸縮性のある細胞培養基材を開発して、肝被膜の再構築に向けた技術基盤を確立する。
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研究成果の概要 |
マウス肝星細胞は、人工エラスチンまたはアテロコラーゲンでコートしたディッシュの両方とも接着培養されたが、マウス肝細胞はアテロコラーゲンディッシュ上でのみ接着培養された。マウスの肝星細胞および肝細胞のプロテオーム解析を行ったところ、肝星細胞にはエラスチン結合タンパク質が検出され、その要因が明らかになった。 天然抽出エラスチンとゼラチンの混合液にリシンとグルタミン酸の架橋を触媒するトランスグルタミナーゼを使用して架橋構造を導入し、さらに凍結乾燥させて、伸縮性のある人工エラスチン膜の作成に成功した。さらに、人工エラスチン膜の薄層化を実現し、肝被膜の基本工程を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在行われている生物学研究で、in vitroとin vivoの結果が大きく乖離することが散見される。それは、多くのin vitro実験では生体内環境にはないプラスチック製素材を用いて細胞培養されており、絶えず物理的刺激を受けた環境下での解析となっている事が一要因ある。本研究成果は、実用化するために克服すべき課題が残っているが、これまでにない細胞培養基材の開発、組織・臓器の再構築研究へと展開され、肝臓病学や再生医療学を始めとして広範な生物学分野を飛躍的に発展させると期待される。
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