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昭和十二年以降初等教育における「国語」教科書の比較研究:内地と植民地台湾を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 20K21990
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0102:文学、言語学およびその関連分野
研究機関青山学院大学

研究代表者

孫 世偉  青山学院大学, 文学部, 助教 (30881966)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2021-03-31
研究課題ステータス 完了 (2020年度)
配分額 *注記
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
キーワード国語 / 教科書 / 台湾 / 国民学校 / 公学校 / 戦時下国語教科書 / 万葉集 / 植民地台湾 / 皇民化政策
研究開始時の研究の概要

本研究は、戦時中の昭和十二年以降終戦までの期間に、日本本土および植民地台湾の初等教育で使用された「国語」教科書に頻繁に登場する戦争関連記事についての比較研究である。内地で使用された「尋常小学校国語科」、漢民族住民などの子弟を対象にした「公学校国語科」に焦点を絞りつつ、必要に応じて他の外地で使用された「国語」教科書も視野に入れ、内容や構成の異同についての論考である。日本語を母国語としない植民地台湾の住民に対して、「国語=日本語」教育がいかにイデオロギー教育としての色彩を強め、教育目標が戦意高揚と戦時動員の完遂に傾斜したのか、また内地で行われた初等教育政策との関連性を明らかにするものである。

研究成果の概要

本研究では、日中戦争・太平洋戦争戦時下に「内地」(日本本土)および植民地台湾の初等教育で使用された「国語」教科書を中心に、戦争に関連する記述について比較研究を行った。具体的には、内地で使用された「尋常小学校国語科」、漢民族住民などの子弟を対象にした「公学校国語科」や他の外地で使用された「国語」教科書(朝鮮半島、満洲、東南アジア、北米など)における戦時下の教育目標が、戦意高揚と戦時動員の完遂を指導するイデオロギーに次第に傾斜していく共通性が確認できた。しかしながら、類似したテーマを扱った部分において、内地人の教育対象よりも、むしろ植民地住民へ対する教育内容の方がより苛烈だった傾向が見られた。

研究成果の学術的意義や社会的意義

先の大戦の戦時中に、「国語」教科書が戦意高揚目的に使用されたことがしきりに指摘されてきたが、植民地台湾においても同じ傾向が見られた。その戦時下イデオロギーの中核をなすものとして、日本語を話す人々が生まれ持った「日本精神」が、近代天皇制と紐づけて語られた。しかしながら、日本語を母語としない漢民族の子供たちを同じような枠組みに入れようとする際に、この論理の矛盾が浮かびあがる。すなわち、植民地支配下に置かれた人々を、帝国日本の臣民として「一視同仁」することが現実的にはできないことを、教科書の内容が端的にそれを示している。現代にまで地続きの差別と偏見問題の根深さを考える上で、きっかけとなる成果である。

報告書

(2件)
  • 2020 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 日本統治下台湾の国語教科書:内容の変遷に見る戦時下イデオロギー2020

    • 著者名/発表者名
      孫 世偉
    • 学会等名
      玉川大学リベラルアーツ学部第26回学際研究会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演

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公開日: 2020-09-29   更新日: 2022-01-27  

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