研究課題/領域番号 |
20K22047
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 小樽商科大学 |
研究代表者 |
宮田 賢人 小樽商科大学, 商学部, 准教授 (40881420)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 法現象学 / 法的確信 opinio juris / 慣習法論 / 法哲学・法理学 / 現象学 / エトムント・フッサール / 尾高朝雄 / 法動態論 / 法的確信 / opinio juris / 法理学 / 法哲学 / 法社会学 / 発生的現象学 |
研究開始時の研究の概要 |
国際業界団体内におけるソフトローの形成や伝統的慣習法から近代的国家法への移行、法整備支援を通じた法制度の国家間移転などの現代的事象の分析には、法動態の分析が必要である。この動態の分析にあたって鍵概念となるのは、共同体内部で広範に共有された社会的規範に「法」という意味を付与する「法的確信」である。本研究では、この「法的確信」がいかなる構造を有しているかを、(特にE.フッサールの)現象学の方法を用いて解明したい。
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研究成果の概要 |
本研究では、エトムント・フッサールの現象学を法理論へと応用して、単なる慣行と慣習法とを区別する基準として働く法的確信(opinio juris)がいかなる構造を有した意識作用であるかを明らかにすることを試みた。その結果として、法的確信は、規範それ自体が保障しようとする事態の価値(規範価値)およびその規範遵守の一般慣行化がもたらす人々の予期の安定化に由来する秩序の利益(秩序価値)という二つの種類の価値への志向性に基礎づけられた価値的・規範的確信であることが明らかとなった。また、本研究の過程で、法秩序への現象学的アプローチの可能性と課題も明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は二つある。第一に、法的確信という慣習法論における重要概念について、一つのありうる説明を具体的に提示したこと。第二に、法理論への現象学的アプローチという、前例の多くない方法論の現代的可能性を切り拓いたことである。また、社会的意義について言えば、原初的なレベルにおける法の動態分析に相当する本研究の成果は、国際業界団体の内で定められた自主規制のようなソフトローの生成、急激な近代化を経験した地域(e.g.ミクロネシア)で見られる伝統的慣習法から近代的国家法への移行、法整備支援における先進国の法制度の発展途上国への移転といった現代的事象の理論的考察へ発展・応用が期待される。
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