研究課題/領域番号 |
20K22086
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩本 康志 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 教授 (40193776)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 新型コロナウイルス感染症 / 政策評価 / 費用便益分析 |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、その対策による経済的被害も加えて大恐慌以来の大きな経済的ショックとなり、スペイン風邪をしのぐ経済的影響をもたらした。この研究課題では、費用便益分析の枠組みのもとで、感染症の被害緩和策(流行拡大の速度を抑え、感染者を医療資源制約のなかに抑え、医療崩壊を防ぐことで人的被害を削減する)を評価し、医療資源制約を緩和するように医療資源を拡大させることが感染症流行の長期的帰結をどのように改善するかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
経済活動と感染症の流行を関係づけたモデルに基づき、社会の厚生を最大化する政策を考えることで、健康と経済を同時に考慮した対策を設計する理論的基礎が与えられる。経済活動を制限すると、感染症の流行も抑制され、そこに健康と経済のトレードオフが存在するが、一律の活動制限と比較して、対象を選別して活動を制限する対策をとることで、効率性を高めることができる可能性がある。 日本で実施された対策では、感染症に対応できる医療資源(感染症病床)が極めて限られているために、経済活動の制限が加えられている。定常状態を分析できるSISモデルを用いて、医療資源制約を緩和する政策の便益と費用の概念整理を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新型コロナウイルス感染症対策は大きな経済的影響をもたらしたことから、その効果と経済的影響を衡量して評価する厚生経済学的分析を行うことは、適切な対策の実施のために不可欠である。また、流行初期に各国でとられた広範囲の経済活動の制限よりも、費用対効果の高い対策を立案、実施することが求められている。この課題を包括できる費用便益分析のモデル化を行い、具体的な手段の立案に資するために、(1)経済活動制限が必要となった場合にも制限の対象を選択し、限定的なものとすること、(2)感染症に対応する日本の医療資源が先進諸国に比較して低い問題を是正すること、の意義を分析した。
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