研究課題/領域番号 |
20K22110
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
萩原 誠 大阪経済大学, 経済学部, 准教授 (20875116)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | メカニズムデザイン / ソロモン王のジレンマ / 資源配分問題 / 再交渉 / 制度設計 / 遂行問題 / ナッシュプログラム / 繰り返し環境 / 遂行理論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,「遂行問題」を分析する.遂行問題とは,制度設計者が人々の戦略的虚偽の可能性を考慮して,ある社会目標を遂行する「メカニズム」を設計しようとする問題である.この問題は,オークション問題や学校選択問題,公共財配分問題など多くの例を含んでいる.多くの遂行理論の先行研究では,人々が合理的であり,かつ1度だけで終わる場合にのみ焦点を当てていた.しかし,現実的にそのような状況は多くない.本研究では,非合理的な個人が存在するときに,同じ社会目標を毎期繰り返し遂行できるのは,社会目標がどのような性質を満たしている時かを分析する.
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研究成果の概要 |
以下の3つの研究を進めた. 1つ目は,再交渉ありの権利付き完全分割財配分問題に関する研究である.制限付き等分ルールを戦略的に正当化するための新しいゲームを提案した.そのゲームでは,制限付き等分ルールが選ぶ配分を1期目で達成することが唯一の部分ゲーム完全均衡における結果であることを示した.2つ目は,各個人が他人の選好などの情報を持たない不完備情報ゲームにおいて,2つの均衡概念でどのような社会目標が遂行可能であるか研究を行なった.3つ目は,限定合理的な個人が存在することを考えた時のソロモン王のジレンマという非分割財配分問題に関する研究である.この研究で2つのメカニズムの性能比較した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の権利付き完全分割財配分問題に関する研究では,1期においてのみ考えていた.しかし,現実的には1期だけでなく,同じ問題が繰り返し起こることが多い.この点に関して,1度だけで交渉が終わるのではなく,再交渉を許すゲームを用いて理論研究を進めた点に学術的意義がある. 従来の遂行問題に関する研究では,誰もが自身の好みを最大限満たすように行動できると仮定してきた. しかし,そのような行動を目指しても上手くできない限定合理的な個人が多く観察されてきた.この点を考慮した上で実験研究を進め,理論で考えられてきたメカニズムよりも性能が良いメカニズムを設計・観察した点に,学術的意義がある.
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