研究課題/領域番号 |
20K22141
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
樋口 あゆみ 福岡大学, 商学部, 講師 (30882740)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | システム論 / 時間的志向 / 組織境界 / 意思決定 / 組織化 / 不確実性 / 動機の語彙 / 組織論 / 境界 / 時間 / 不定性 / コンテンツ / 意味生成 / 動機の語彙論 / 時間論 / エスノグラフィー / コンテンツ産業 / コンテンツ企業 |
研究開始時の研究の概要 |
経営学や組織論では「動機」は心理学を理論的背景として、個人の主観的で回顧的な解釈を指し、組織成員に対する動機づけの研究が数多くなされてきた。しかし企画制作などの場面では「なぜやりたいのか」などといった企画の動機の問いかけを通じて、チームで徐々に未来に向けた着想が練り上げられていく。そうした過程で起きる企画意図の説明の変化を、どのように理解可能なのかを理論的・実証的に明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、営利組織のなかでプロジェクトを立ち上げたり推進したりする際に、どのような理由が正当なものとして捉えられるか。言い換えると、どのような理由が〈動機〉として通じるか、そしてそれがどのように組織の制度として通用していくのかを明らかにする目的で始められた。研究を進めるにつれて、どのように理由付けが〈動機の語彙〉として通用するようになるのかを分析するには、意思決定過程が時間と「どういうあり様がこの組織なのか」という自己記述に関わっていることが明らかになり、組織境界論と組織の時間論の理論的な深堀へと研究は展開することになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
組織システム論における組織境界と時間概念を深堀することで、自己産出系論が古典的なシステム論と比べて一体何を課題とし、主題化しているのかがより詳細に明らかになった。それは、短く言えば、組織観察の動態化と、閉じつつ開いているシステムの記述のための述語を用意したことにある。 本研究は自己産出系論とも言われるニクラス・ルーマンのオートポイエティックなシステム論が、いかに時間の流れのなかにある意思決定を理論的に重視したのかや、不透明な自己像に関する自己観察と自己記述の際を利用しているのかについて明らかにし、そうすることで経験的な研究と理論を結ぶ糸口を提示した。
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