研究課題/領域番号 |
20K22157
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
丸山 友美 福山大学, 人間文化学部, 講師 (80882068)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | テレビ / ドキュメンタリー / プロダクション・スタディーズ / 地方メディア / フェミニスト・プロダクション・スタディーズ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦前戦後を通じて大阪放送局(JOBK)で形成される「上方」放送文化の展開を、制作文化研究Production Studiesの視角から明らかにすることを目的にもつ。これを達成するため本研究は、JOBK史に関する史資料およびインタビュー調査をおこなう。こうして本研究は、JOBKの制作現場において理解・共有されている適切な行動パターンや慣習といった非公式なルールと、それを支えるマネジメント戦略や部門別の組織編成という公式な仕組みや制度がいかに結びつき、メディア制度の「生産の文化」がどう形成され、その文化的産物としてどんなドキュメンタリー番組が放送されてきたのかという制作者研究をおこなう。
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研究成果の概要 |
本研究は,NHK大阪放送局に関する番組資料と制作者の声を収集・考察し,戦前戦後を通じて形成される「上方」放送文化の展開を「制作文化研究Production Studies」の側面から明らかにしたものである。その研究成果は四つにまとめられる。(一)東京/大阪という初期テレビ制作現場の「ローカリティ」を描出した。(二)男性/女性というテレビドキュメンタリー制作の「文化的な性差(ジェンダー)」を指摘した。(三)エリート/アシスタントというテレビ制作者間に生じ始める「断層」を示した。(四)放送内容に直接関わらない〈放送人〉の存在を浮上させ,「上方」放送文化の成立とナショナルな放送文化の展開を析出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義や社会的意義は,日本の初期テレビドキュメンタリー史の重層性と複数性として,(一)初期テレビ制作現場の「ローカリティ」,(二)テレビドキュメンタリー制作の「文化的な性差(ジェンダー)」,(三)テレビ制作者間の「断層」を描出したことにある。その成果は,ストリーミング・プラットフォームの登場によって映画やネット動画との差異を問う,1950-70年代に日本でも展開された「テレビとは何か」「テレビ的とは何か」という議論が再燃するメディア研究の国際的な潮流に,日本/大阪/女性/アシスタントというローカルな視角から応えるものにもなりうる。
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