研究課題/領域番号 |
20K22283
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村中 誠司 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (90878349)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 自然言語処理 / 情動制御 / トピックモデル / 活動記録 / Web調査 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,日記のようなテキスト情報を使って,日常のどのようなイベントが感情体験に大きく寄与しているのかを検出できるかを検討する。心理療法の一つである認知行動療法では,活動記録表を使い,ポジティブな体験を増加させる「行動活性化」という治療技法が実施されている。本研究の目的が果たされると,日記からどのような行動を活性化すると効果的かを解析的に治療者や要支援者に提案することができ,行動活性化の治療効果をより高められると期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、日常的なイベントに関する記述内容とイベントにより生起した感情体験の強度との関連を明らかにする方法論を構築することを目的とする。記述内容から抽出できるパターンや、特定のトピックの出現頻度が、感情体験の強度と関係することを仮説とした。263名の日本人調査協力者に、14日間、その日にあった出来事を自由記述で、またその出来事の中で体験した感情等をリッカート法で報告するように求めた。自由記述はトピックモデルで特徴量に変換の上、ネットワーク分析を実施した結果、他者批判をしやすい者ほど余暇についての報告が多く、結果としてポジティブな再評価をしにくくなる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに心理学研究で扱われてきた測定法で得られてきた人の体験を、表出行動の一つである言語的な情報から直接数値的な情報に変換でき、解析できる可能性を示した点では、学術的意義はあると考える。特に、患者等との対話の内容とその効果について深掘りしたい臨床心理学的な研究の発展に寄与するものと期待できる。 現在、コロナ禍により、心理支援を遠隔で実施するニーズとそれに応える動きが活発となっている。その中で、情報科学技術を活用した支援のあり方は注目が集まっている。本研究は、遠隔で支援する上で、患者の体験の記録を解析する一手法を提案するものとして、社会的意義も十分にあると考える。
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