研究課題/領域番号 |
20K22317
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 小山工業高等専門学校 |
研究代表者 |
長峰 孝典 小山工業高等専門学校, 一般科, 助教 (10882516)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 消去問題 / ザリスキ問題 / 一意分解整域 (UFD) / 次数付き環 / UFD / 次数付環 / アフィン代数多様体 / 局所冪零導分 / 次数構造 / アフィンファイブレーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では, アフィン代数多様体における「消去問題」に取り組む. 消去問題とは, X×L=Y×LをみたすときX=Yとなるかを問う問題である. ただしLはアフィン直線を意味する. 本研究の目的は, どのような条件の下で消去問題が成立するか, を明らかにすることである. そのために, 消去性を判定できる新たな不変量の発見・構成を目指す. 予備研究では, 座標環の次数構造に着目して目的の不変量を構成している. この不変量はまだ荒い部分があり, 消去性判定の道具としてはまだ不十分である. そのため, この不変量を改良し, 消去性を記述することができる, より精度の高い不変量の構成を目指す.
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研究成果の概要 |
与えられた環がUFDであることを示す新たな判定方法6種類構成した. そのうち2種類は1964年にP. Samuel氏が構成した判定方法の一般化になっている. この2つを利用することで他の判定方法が構成できた. 特に, 1977年に森重文氏によって与えられた判定方法の一般化も与えている. これらUFD判定方法の応用として, 次の4つを構成した. 1) 3次元の有理的UFDの族とそれらの最小生成系の個数, 2) ネーター的でない3次元の有理的な次数付きUFDの族, 3) 3項式で定義されるUFDの族, 4) ブルバキの演習問題の反例. 特に 3) で構成したUFDには幾何学的意味がある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
3項式で定義されるUFDは, 複雑性が1のトーラスの作用を持つアフィン代数多様体に対応し, 2次元の場合は森重文氏 (1977年), 3次元の場合は石田正典氏 (1977年), そして基礎体の標数が0の場合に限り一般次元で, J. Hausen氏, E. Herppich氏およびH. Suss氏 (2011年) が分類を与えている. 上記のどの研究も幾何学的な手法を用いているが, 本研究では代数的な手法のみを用いている. その結果, 基礎体の条件に依存しない議論が可能である. 特に我々が構成したUFDは, 基礎体が代数的閉体である必要はなく, その標数も任意の場合で得られている.
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