研究課題/領域番号 |
20K22322
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
皇甫 度均 筑波大学, 数理物質系, 助教 (00870908)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | タングステン / プラズマー材料相互作用 / ヘリウムプラズマ / ナノ構造バンドル / プラズマー壁相互作用 / スパッタリングー再堆積 / RF変調イオン / ヘリウム / ナノ構造 / ダイバータ |
研究開始時の研究の概要 |
ヘリウムプラズマ-金属(特にタングステン(W))相互作用により生成される金属ナノ繊維が集積したバンドル構造 (NTBs)の生成機構を明らかにする。直線型プラズマ装置を用いて,W表面の経時変化を共焦点顕微鏡により観測し,NTBsの成長過程を明らかにする。さらに,NTBsの生成条件として,入射イオンエネルギーの変調効果と不純物粒子によるスパッタリング-再堆積効果を制御した実験を行い,未解明であるNTBsの成長要因を解明する。以上により,プラズマ応用,核融合研究の進展に貢献するNTBs形成制御の学術的基盤を確立する。
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研究成果の概要 |
RF波(13.56 MHz)プラズマ装置APSEDASにおいて、ヘリウムプラズマのヘリコン遷移の手法を確立した。試料へ電圧バイアス印加システムを構築し、ナノ構造の生成を確認した。ヘリコンモード時のプラズマパラメータ変化により、表面ナノ構造の形状が異なることを確認した。また、プラズマ生成初期において不純物の混入が認められた場合、表面では一様なナノ構造の生成が抑制され、針状のナノ構造バンドルが形成されることを明らかにした。針状バンドル構造の生成にはRFイオン変調の影響や不純物によるスパッタリングの影響などが考えられるが、今後、バイアスのRF変調及び不純物濃度制御実験で明らかになることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は純金属とプラズマのみで発生する金属構造変化に注目する研究である。近年、ヘリウムプラズマに加えて不純物ガスの存在や金属面へ入射するイオンのエネルギー変調等が既存と大別されるバンドル構造を形成することを確認されており、本研究ではそのバンドル構造が一部の実験装置の特殊的な実験条件に限定される現象でなく、普遍的に発生する現象であることを示した。化学反応を含まない、ドライプロセスでの金属ナノ構造化は表面構造の制御技術の発展により光触媒、電界放出材、熱電素材など様々な応用が予想されるため、今後ともナノ構造やバンドル構造の生成機構の理解や構造制御技術の確立が期待できる。
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