研究課題/領域番号 |
20K22333
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
矢野 萌生 千葉工業大学, 次世代海洋資源研究センター, 主任研究員 (30880281)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 黒色頁岩 / 黒色泥 / 海底鉱物資源 / Re-Os分析 / 多変量解析 / 多変量統計解析 / レアメタル / 酸化還元鋭敏元素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,貧酸素環境における堆積物へのレアメタル元素の濃集メカニズムを,地球化学データセットの多変量統計解析と同位体分析に基づき解明することを目的とする.本研究では,レアメタル濃集メカニズムの解明の鍵になると考えられるレニウム (Re)・オスミウム (Os) について,従来よりも効率的な分析手法を確立し,海底堆積物を対象にReを含む高次元地球化学データセットの統計解析とOs同位体比分析を行うことで,貧酸素環境においてレアメタル元素濃集をもたらす物質やプロセス,環境条件を考察する.
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研究成果の概要 |
マルチコレクタ誘導結合プラズマ質量分析を用いた簡便なレニウム―オスミウム(Re-Os)分析を行う上で,適切な酸分解の条件を検討し,試料の全有機炭素量 (TOC) に応じて分解に用いる酸を検討する必要があることを明らかにした.貧酸素水塊の発達するカリアコ海盆の堆積物についてRe-Os分析を行い,Re濃度,Re濃度とTOCの関係について検討した結果,この堆積物のReの濃集には有機物への吸着が重要なメカニズムであることが示唆された.また,黒色泥・黒色頁岩の化学組成データセットについて独立成分分析を行い,8つの独立成分を抽出した.その中で3つの成分がレドックスに関するものと解釈した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,有機物に富む堆積物のRe-Os分析について,酸分解に用いる酸の量と種類を変えて実験を行った.本研究で得られたデータは黒色泥,黒色頁岩のRe-Os分析を行う上で重要であるため,学術的意義が大きいと考えられる. また,従来の黒色泥・黒色頁岩の化学組成データセットについて独立成分分析を行い,抽出された8つの成分のうち,3つを酸化還元鋭敏元素の濃集に関するものであると解釈した.これは資源生成に関わるレアメタル元素濃集のメカニズム解明のために重要な情報であり,社会的意義のある成果が得られたと考えられる.
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