研究課題/領域番号 |
20K22349
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
藤間 崇 金沢大学, GS教育系, 助教 (60786325)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 暗黒物質 / 直接検出 / 暗黒物質生成機構 / 模型構築 / 大統一理論 / ニュートリノ質量 / 擬-南部ゴールドストーン粒子 / マヨロン / 暗黒物質の間接検出 / 暗黒物質の加速 / EDM / 擬ゴールドストーン粒子 / Freeze-in機構 / インフレーション |
研究開始時の研究の概要 |
多くの観測結果から、我々の宇宙には暗黒物質と呼ばれる未知の物質が存在することが強く示唆されている。暗黒物質-原子核間の散乱を探索する直接検出実験は、暗黒物質の正体を探る強力な実験の一つであるが、現在までのところ暗黒物質シグナルの兆候は発見されておらず、結果として模型に非常に強い制限を与えている。この強い制限は擬-南部ゴールドストーン粒子(有限の質量を持つ南部ゴールドストーン粒子)と呼ばれる粒子を暗黒物質と仮定すると自然に回避できることが知られている。本研究ではこの種の暗黒物質と大統一理論との整合性、初期宇宙での生成機構、今後の検証可能性などの理論的研究を行う。
|
研究成果の概要 |
現在、暗黒物質の直接検出実験は熱的暗黒物質に対して非常に厳しい制限を与えている。しかし擬-南部ゴールドストーン暗黒物質は、その制限の適用を逃れる面白い性質を持つ。当該研究では、先行研究において提案された最も単純な擬-南部ゴールドストーン暗黒物質模型の理論的な拡張性及び実験的検証可能性について広く研究した。特に大統一理論やニュートリノ質量生成機構の枠組みに擬-南部ゴールドストーン暗黒物質を埋め込むことが可能であることを明らかにした。またそれらの拡張模型は、将来ガンマ線観測実験を通じて今後の検証が期待される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
熱的暗黒物質は、1970年代から有力な暗黒物質候補として広く研究されてきた。しかし、近年の高精度な探索実験を用いても発見に至らないことから、熱的暗黒物質の有望性が徐々に薄まりつつあり、その他の暗黒物質候補の可能性も提案されている。当該研究で得られた熱的暗黒物質の一種である擬-南部ゴールドストーン暗黒物質についての知見は、将来暗黒物質探索実験をどのように推進していくべきかを判断する材料となることから学術的意義は大きい。
|