研究課題/領域番号 |
20K22356
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 神奈川大学 (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020-2021) |
研究代表者 |
辻 直美 神奈川大学, 理学部, 特別助教 (50878444)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 宇宙線 / ガンマ線観測 / X線観測 / 最高エネルギー宇宙線 |
研究開始時の研究の概要 |
10の18乗電子ボルトものエネルギーを持つ最高エネルギー宇宙線の起源は、未だ解明されていない。最高エネルギー宇宙線は宇宙背景放射と相互作用することで、天体の周囲にハローと呼ばれる電子陽電子のプールが形成される。本研究ではガンマ線観測とX線観測を組み合わせ、最高エネルギー宇宙線由来のハローを探査し、起源解明に迫る。
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研究成果の概要 |
最高エネルギー宇宙線(UHECR)は宇宙背景放射と相互作用することで、天体の周囲にハローと呼ばれる電子陽電子のプールが形成される。本研究ではハローからのX線やガンマ線の測定を通して、UHECRの生成メカニズムの検証を目指す。本研究ではTeVガンマ線望遠鏡HESSによる広がった天体のデータ解析方法を取得した。活動銀河核やスターバースト銀河を選定し、データ解析に着手したが、現在までにハローと思われる広がった天体は確認できなかった。並行して、チャンドラ衛星、XMM-Newton衛星のデータを用い、X線のイメージとスペクトルを取得した。またHESSの解析ソフトウェアの解析性能の評価、改善にも貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
UHECRの観測的研究は、地上望遠鏡による直接観測によって発展を遂げ、近年ではIceCubeによるニュートリノ観測も加わり、UHECRの起源にはより一層注目が集まっている。そこで、電磁波観測から間接的にUHECRの兆候が捉えられれば、宇宙線観測や理論研究といった多岐に渡る分野に大きなインパクトをもたらすことができる。今回は残念ながら検出には至らなかったが、本研究で確立したデータ解析方法は、チェレンコフ望遠鏡CTAなどに適応可能である。CTAは既に一号機の運用がスタートしており、近い将来、より空間分解能の高い観測データが取得されるため、本研究はUHECRの分野における将来に先駆けた研究となった。
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