研究課題/領域番号 |
20K22369
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 学習院大学 (2021) 愛媛大学 (2020) |
研究代表者 |
大平 格 学習院大学, 理学部, 助教 (90873159)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ガラス / 高圧 / 弾性波速度 / 二体分布関数解析 / 放射光X線その場観察 / 地球深部マグマ / 高圧その場実験 / 放射光X線 / ケイ酸塩ガラス / 地球深部科学 / 高温高圧実験 / マグマ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、地球深部の環境を再現した高温高圧下において、ケイ酸塩ガラスの弾性波速度および密度を測定する。地球内部のマントル遷移層と下部マントルの境界の圧力(23万気圧)を超える高圧かつ高温その場条件での測定を実現するために、SPring-8・BL04B1のマルチアンビルプレスと超音波法を組合わせた弾性波速度測定技術、およびAPS・13-BMDの高圧X線トモグラフィー装置を利用した密度測定技術を用いる。天然のマグマの構造的アナログ物質であるケイ酸塩ガラスの物性の測定を通し、地球深部に滞留する「高密度マグマ」が形成される温度・組成条件に制約を与えることを目標とする。
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研究成果の概要 |
24GPaまでの高圧下において、Al2O3-SiO2系ガラスとCaAl2O4ガラスの弾性波速度を決定した。いずれのガラスでも、約7-10 GPaでAlを含まない酸化物ガラスではみられない縦波・横波速度の急増を観察した。また、CaAl2O4ガラスについては高圧その場放射光X線回折測定を行い、9.8 GPaまでの圧力下で二体分布関数を取得することに成功した。この実験から、上述の圧力範囲でAlOの多面体とCaOの多面体が接近するような構造変化が生じることがわかった。上述の結果は、約7-10GPaでAlを含むガラスだけが経験する構造変化が存在する可能性を示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地球深部には周囲の固体マントルよりも高密度なマグマが存在している可能性がある。地球深部マグマの高密度化を促す要素の一つとして、高圧での構造変化が挙げられる。しかし実験的困難さから、圧力が誘起する構造変化については、マグマ自体は勿論、その構造を凍結したガラスにおいても十分に研究されていない。 本研究では、マグマの主要構成元素の一つであるAlが、約7-10 GPaにおける構造変化・高密度化を引き起こす可能性を示すことができた。この圧力範囲は、地球深部マグマが多く存在するとされる410 km不連続面直上に相当するため、不連続面付近に滞留するマグマのふるまいを議論する上で重要な知見となる。
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