地球深部には周囲の固体マントルよりも高密度なマグマが存在している可能性がある。地球深部マグマの高密度化を促す要素の一つとして、高圧での構造変化が挙げられる。しかし実験的困難さから、圧力が誘起する構造変化については、マグマ自体は勿論、その構造を凍結したガラスにおいても十分に研究されていない。 本研究では、マグマの主要構成元素の一つであるAlが、約7-10 GPaにおける構造変化・高密度化を引き起こす可能性を示すことができた。この圧力範囲は、地球深部マグマが多く存在するとされる410 km不連続面直上に相当するため、不連続面付近に滞留するマグマのふるまいを議論する上で重要な知見となる。
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