研究課題/領域番号 |
20K22413
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
重松 英 京都大学, 工学研究科, 助教 (00879265)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スピントロニクス / 半導体 / 微細加工 / 化合物半導体 |
研究開始時の研究の概要 |
スピン角運動量の流れであるスピン流を積極的に活用することで高速動作や省エネルギー動作を可能にするデバイスの実現を目指している半導体スピントロニクス領域では,新規材料の探索が盛んである.この研究ではケイ素やヒ化ガリウムといった先行研究例からは単純にスピン流物性を予測できない炭化ケイ素(3C-SiC)に着目をして,そのスピン流伝導物性や電気信号への変換性能を解明することを目的とする.これにより従来と異なる新たな方向性により幅引く半導体スピントロニクス材料を開発できることが期待される.
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研究成果の概要 |
この研究では,炭化ケイ素が現在半導体スピントロニクス分野で主要な研究対象であるシリコンやヒ化ガリウムの性質をあわせ持っていることに着目して,そのスピン流物性を解明することを目的とした.我々がすでに得ていたn型半導体SiCを用いた直流スピンポンピング法による常温スピン流輸送の成果に加えて,交流スピン流生成検出法を用いたスピン流電流変換物性の測定検証が行われた.さらに,実デバイス応用を見据えて,ナノスケール構造におけるスピン流の輸送生成特性を計算シミュレーションするための簡便な手法を開発して主著論文に著した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は半導体スピントロニクスの研究領域において主要な材料であるシリコンやヒ化ガリウムについての先行研究に立脚してあらたな材料分野を開拓することを企図したテーマである.具体的には以上の2つの材料について共通する性質をあわせ持つ炭化ケイ素に着目して,スピン流注入実験を行いスピントロニクス物性を解明することを目指した.このような実証実験を実現するためには半導体の微細構造におけるスピン流のふるまいを予め計算することが不可欠であり,その支配方程式であるスピン拡散方程式を実デバイス構造で演算する手法の構築に成功した.新規半導体材料を用いた実証実験を進めるための地歩を固めることができた.
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