研究課題/領域番号 |
20K22414
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
井上 良太 岡山大学, 自然科学学域, 助教 (80881127)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非接触給電システム / 高温超電導コイル / 交流損失 / 熱的安定性 / 鉄道 / 冷却システム / 低損失化 / 保護 / 熱的安定化 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,温室効果ガスの削減と鉄道運転の安全性確保の観点から,鉄道用非接触給電システムのニーズが高まっている。しかし,非接触給電システムに銅コイルを用いた場合,コイルでの発熱から急速・大電力伝送が制限される欠点があった。そこで,申請者はこれまでに,高温超電導(HTS)コイルを用いた非接触給電システムを提案し,その有効性について実験と数値解析の両面から検討してきた。しかし,突発的にHTSコイルが焼損する問題があったため,本課題では,焼損の原因およびその対策方法を明確し,これまで実現できなかった熱的に安定な鉄道用非接触給電システムにおける基礎技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
熱的に安定な超電導非接触給電システムの基礎技術の確立を目的として,kHz帯における高温超電導(High-temperature superconducting,以下HTSと略す)コイルの発熱と冷媒間の伝熱特性が超電導非接触給電システムへ与える影響について検討した。その結果,HTSコイルの臨界電流値は周波数の増加と共に減少するため,HTSコイルを用いた鉄道用非接触給電システムは,数kHz周辺での動作が適していることを明らかにした。また,幅の狭いHTS線材をコイル径方向に並列配置させたコイル形状を提案し,熱的に安定となる鉄道用非接触給電システムに向けた基本的なコイル形状を明確にした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題では,kHz帯におけるHTSコイルの発熱と冷媒間の伝熱特性が非接触給電システムへ与える影響について検討した。その結果,1 kHz以上の高周波電流通電時におけるHTS線材の焼損原因が交流損失の増加に伴う臨界電流の低下であることを明らかにした点に学術的意義がある。また,本研究課題で提案したHTSコイル形状により,熱的に安定な高温超電導コイルを用いた非接触給電システムの基本設計が可能となるため,非接触給電技術の鉄道への適用拡大を促す点に社会的意義がある。
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