研究課題/領域番号 |
20K22423
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0302:電気電子工学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
村松 秀和 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (40889028)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ダイヤモンド窒素-空孔中心 / 共焦点顕微鏡 / 電流比較器 / マイクロ波 / 磁場センサ / 精密電流計測 |
研究開始時の研究の概要 |
新しいエネルギー供給システムである分散電源は様々な周波数の電力の入出力を含むため、その品質確保が課題となっている。従って、電力の正確な評価技術が求められており、そのために広い周波数範囲の精密電流計測は欠かすことができない。電流の精密計測には電流が生成する磁場を検出する機構を持つ電流比較器が広く用いられている。しかし、電流比較器で用いられている磁場検出器では分散電源の広帯域な電力評価には不十分であった。そこで、広範な周波数に対応可能な磁場検出デバイスの候補としてダイヤモンド窒素-空孔中心(NV中心)に着目した。本研究では、NV中心の磁場検出性能の研究を行い、それを組み込んだ電流比較器を開発する。
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研究成果の概要 |
NV中心による磁場検出には、主に光検出磁気共鳴(ODMR)測定が行われ、ODMRは緑色光を照射したときに観測される赤色蛍光がマイクロ波を照射すると特定の周波数でその蛍光強度が小さくなる現象である。そこで、蛍光を観測するための光学系の構築と、マイクロ波を照射するためのアンテナの設計・試作を行った。作製した光学システムでは、NV中心素子の蛍光を観測することに成功している。マイクロ波アンテナは、所望の周波数のマイクロ波が出力されるよう調整を行った。加えて、NV中心を搭載可能な電流比較器を作製するために磁性体コアの設計・試作を行った。これにより、NV中心を搭載した電流比較器を試作する準備が整った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年導入が進んでいる分散型電源の出力は、直流から高周波までの広い周波数範囲にわたっており、この広帯域な電力出力を評価するためには広帯域に計測可能な電流計測技術が必要となる。しかし、巻線やホール素子といった磁場センサを搭載した既存の電流比較器では、分散型電源の出力を単一のデバイスで評価するには不十分である。そこで、直流から数MHzまでの広い周波数範囲にわたって高感度に磁場を検出できるNV中心を利用した電流比較器の開発は、単一デバイスで広帯域電流の高精度計測が可能となることが期待されるため、普及しつつある分散型電源の出力を評価するうえで有意義な研究である。
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