研究課題/領域番号 |
20K22462
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0401:材料工学、化学工学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安達 謙 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10880057)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | クロムめっき / 濃厚水溶液 / アノード溶解 / 電気化学 / クロム |
研究開始時の研究の概要 |
飽和溶解度に近い高濃度で金属塩を含む濃厚水溶液を電気化学反応の場として活用する応用研究が近年注目を集めている。本研究では濃厚水溶液に特有の性質の新たな使い道として、金属材表面の不動態皮膜を不安定化させアノード溶解を促進する性質に着目し、消耗型アノードの使用を可能にする電解液としての利用可能性を明らかにする。これまでに取り組んだ濃厚水溶液を電析浴として用いる金属電析の研究の成果と合わせることでアノード・カソードの両方において優位性のある高度な新規電析プロセスの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
塩化物浴を中心とした濃厚水溶液における金属クロムのアノード溶解挙動を調査した。電極の不動態化を抑制し高効率なアノード溶解を可能にする電解液の開発に取り組み、対反応であるカソードでのクロム電析と組み合わせることで、濃厚水溶液を用いる高度な新規電析プロセスの構築を目指した。 濃厚塩化物浴においては表面皮膜が不安定化することでアノード溶解が可能であることを確認した。溶解イオンの価数は2価および3価であると考えられる。通常の希薄な水溶液中では、金属クロムは電気化学的に不活性であるが、濃厚塩化物浴においては可溶性のアノードとして利用することが可能であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金属クロムは不動態化皮膜のために水溶液中では電気化学的に不活性であり、アノードとして使用することはこれまで不可能であった。金属クロムめっきプロセスのアノードとしては、浴分解をアノード反応とする不溶性のカーボンやチタンなどの電極が用いられており、高いセル電圧のために電力源単位が高いという課題を抱えていた。本研究で示された可溶性の金属クロムアノードの使用可能性はこれらの課題を解決し得ると考えられ、濃厚塩化物浴のもう一つの特徴である、3価クロムを用いた金属クロムめっきが可能であることと組み合わせることで、環境負荷の小さいクロムめっきプロセスの構築が期待される。
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