研究課題/領域番号 |
20K22502
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0403:人間医工学およびその関連分野
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
八木 一平 東京都立大学, システムデザイン研究科, 助教 (30884150)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 超音波 / キャビテーション / 線維化 / 線維症治療 / 治療デバイス / 繊維化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、線維化した軟部組織に対して超音波キャビテーションによる柔軟性の改善効果を検証する。超音波により発生するキャビテーション現象は、ミクロな気泡の膨張・収縮過程で局所的に超高圧状態を生み出す。本現象を利用して体内のコラーゲン繊維を機械的に切断する事により、軟部組織の柔軟性を回復させる。本研究を通じて線維化の新たな治療法を提案し、世界初となる体外・低侵襲治療デバイスの実現を図る。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、超音波キャビテーション等により体外・低侵襲な線維症の治療法を提案し、軟部組織の柔軟性を改善する効果を検証することである。そのため、超音波の照射システムを構築し、動物性線維により精製された評価試料を用いて、機械的強度および形態を評価した。およそ120秒ほど超音波キャビテーション中に晒すことで、コラーゲン性材料の様相が大きく変化し、機械的強度はおよそ半減することが確認された。ここで得られた研究成果は解説記事1報、国際会議1件、国内学会4件を通じて報告された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
線維症とは、コラーゲンなどの細胞外マトリックス物質が異常に蓄積し、臓器不全に至る病気である。このような臓器不全は、全世界の死因の約3分の1を占めている。しかし、この病気には根本的な治療薬がないため、非侵襲的な治療戦略の開発が重要である。本研究では、非熱的治療法である非収束超音波照射を用いた線維化組織の軟化法を開発した。定在波でキャビテーションを発生させると、照射時間に依存して線維組織の機械的強度が低下することがわかった。また、超音波キャビテーションによるコラーゲン繊維の破断により、照射後に線維組織の外観が変化した可能性がある。この方法は、広範囲の線維性組織の治療に応用できる可能性がある。
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