研究課題/領域番号 |
20K22519
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0501:物理化学、機能物性化学、有機化学、高分子、有機材料、生体分子化学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古畑 隆史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (50882635)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | DNA修飾 / ホルミル化 / ヌクレオソーム / ポジショニング / スライディング / クロマチン / DNA / ホルミル修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
クロマチンは、DNAとタンパク質により構成される巨大な生体分子複合体であり、DNA上の生体反応を制御する化学反応場である。これまで、ホルミル修飾と遺伝子の活性化の相関が認められてきている一方、なぜDNAのホルミル修飾により遺伝子の活性化が促進されるのか、その分子メカニズムは明らかでない。そこで、DNAの反応場を模倣したミニクロマチンモデルを用い、DNAのホルミル修飾によるクロマチン構造の制御メカニズムの解明を試みる。具体的には、修飾の位置や数と、クロマチン構造やそれに伴う酵素反応速度の変化の相関を系統的に検討し、ホルミル修飾による生体反応制御機構を分子レベルで解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、DNAホルミル修飾がクロマチンの構造制御に果たす役割の解明に向け、ポジショニングと熱的なスライディングの観点からホルミル修飾がヌクレオソームの化学特性に与える効果を検証した。ヌクレオソームコアパーティクル上、およびリンカー上にホルミル修飾を有する一群のヌクレオソームを作成し、評価を行ったところ、スライディング後のヌクレオソームのポジショニングがDNA上におけるホルミル修飾の位置の違いにより変化することが示唆された。以上の結果は、ホルミル修飾位置がヌクレオソームのポジショニングを規定する制御子として機能する可能性を示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNAのホルミル化は、幹細胞で存在量が増加する、活性な遺伝子領域に多いなどの生理学的観察から、細胞の分化や異常化に関わる化学マーカーとして注目が集まっている。一方、ホルミル修飾が遺伝子発現を制御する化学的なメカニズムは未だ明らかではない。本研究課題では、位置特異的にDNAホルミル化を導入したヌクレオソームを化学的に構築することで、修飾の有無だけでなく、DNA上における修飾の位置とヌクレオソームの構造特性の関係性を系統的に検証することを可能とした。これは、ヌクレオソームとその集合体であるクロマチンの観点から、ホルミル修飾による遺伝子発現制御機構の理解に向けた足掛かりとなることが期待される。
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