研究課題/領域番号 |
20K22560
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
樋口 雄大 弘前大学, 農学生命科学部, 助教 (70880045)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | lignin / acetophenone / acetovanillone / RNA-Seq / efflux pomp / リグニン / 芳香族化合物 / アセトバニロン / バニリン酸 / Pseudomonas / 芳香族化合物代謝 / 抗菌物質耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では抗菌物質であるアセトバニロン (AV) の高い資化性を示す微生物株の特性を明らかにする。AVはリグニンの化学処理によって得られる主要な分解物である。AVの微生物代謝系はSphingobium sp. SYK-6株で唯一明らかにされているが、AVを唯一の炭素源・エネルギー源として生育させた場合、最大1 mM程度でしか生育できず、生育速度も遅い。 本研究では新規に単離した高濃度 (10 mM) のAVで生育することができる微生物株のAV代謝系を解明する。またAV処理による生細胞/死細胞比、細胞内ATP量、及び呼吸活性の変動を解析し、新規AV資化菌のAV耐性を評価する。
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研究成果の概要 |
アセトバニロン(AV)はリグニンの酸化分解によって生成する主要な芳香族単量体であり、AVなどのアセトフェノン類は細菌に対して抗菌性を示すことが知られている。本研究は、AVの高い資化性をもつ新規微生物株であるMHK4株の解析を行った。MHK4株のAV代謝系を解析した結果、MHK4株が新規の酵素システムによってAVを分解することを明らかにした。またMHK4株をAV存在下で培養した際に転写誘導される遺伝子を網羅的に解析した結果、薬剤排出ポンプをコードする遺伝子群と相同性を示す遺伝子群が高く誘導されていたことから、これら遺伝子群がAVへの耐性を付与する因子として機能する可能性が推定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、バクテリアによる新規のアセトバニロン (AV) 変換酵素システムが明らかにされた。AVはリグニンの酸化分解により主要に生成するため、本研究で得られた成果はリグニンからの有用物質生産系の構築に貢献することが期待される。また本研究で見出されたEfllux pomp遺伝子はAVなどの芳香族化合物への耐性を高める因子として機能する可能性があるため、今後このEfllux pomp遺伝子の機能を明らかにすることで、微生物に芳香族化合物の耐性を付与するためのツールとして利用できる可能性がある。
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