研究課題/領域番号 |
20K22568
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0601:農芸化学およびその関連分野
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
岡本 拓実 静岡県立大学, 薬学部, 研究支援員 (90885245)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ジャガイモシストセンチュウ / 天然物化学 / マイクロトム / バイオインフォマティクス / ソラノエクレピンA / スクリーニング実験 / CRISPR-Cas9 |
研究開始時の研究の概要 |
ジャガイモシストセンチュウはナス科植物の生産に多大な被害を与えている害虫である。その中で、ナス科がセンチュウの孵化促進物質を産生していることから、ナス科のモデル植物であるマイクロトムの栽培系統と、エチルメタンスルホン酸によって変異が導入された変異系統群とでセンチュウの孵化率比較を行い、変異系統群の中から孵化率の低下している系統を探索する。それらと栽培種のゲノム構造や遺伝子の発現量を比較することによって、センチュウ孵化促進物質の生合成遺伝子を同定し、さらには、その遺伝子の機能を詳しく解析することによって、農業に適応できる新たなジャガイモシストセンチュウ抵抗系統の発見・作出方法を検討する。
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研究成果の概要 |
Solanoeclepin Aの生合成遺伝子・経路を解明するために、ナス科植物のモデル植物であるMicro-Tomを用いたジャガイモシストセンチュウ孵化活性試験系を確立した。また、Micro-Tomの変異誘導系統群に対する孵化活性試験を行ったところ、野生株と同程度の孵化活性を示した高孵化系統群を15系統、ネガティブコントロールと同程度の孵化活性を示した低孵化系統群を20系統見出すことに成功した。これら2系統群の網羅的なゲノム比較解析を行ったところ、低孵化系統群特異的に変異が導入されている遺伝子155個を見出すことに成功した。さらに、生合成重要中間体の推定に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ジャガイモシストセンチュウはナス科植物特異的に寄生する植物寄生性線虫の一種である。これは世界中のナス科植物へ多大な被害を及ぼしており、日本においても多くの被害が報告されている。Solanoeclepin Aはジャガイモシストセンチュウの強力な孵化誘因物質として同定されてはいるが、植物体から単離すること、有機化学的な全合成どちらとも非常に困難であることが知られている。そのため、生合成遺伝子・経路を解明することは、様々な面において有意義となる。そこで、本研究はsolanoeclepin Aの生合成研究の礎となりうる結果が得られたことから、植物保護などに対して大きな一歩となると考えられる。
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