研究課題/領域番号 |
20K22588
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0603:森林圏科学、水圏応用科学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
市田 健介 東京海洋大学, 学術研究院, 助教 (70882637)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | A型精原細胞 / 生殖細胞移植 / 細胞表面抗原 / 魚類 / 生殖幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
代理親魚技術は、ドナーとなる魚類の生殖幹細胞を移植することで、サバのような小型魚からマグロのような大型魚を生ませることも可能になる。本技術では、移植後、宿主生殖腺へと移動し、そこに生着可能な未分化な生殖幹細胞を移植に用いる必要がある。本技術を広く普及するためには、生殖幹細胞の“見える化”を行い、それらの単離、移植、追跡などの一連の細胞操作を誰でも簡便に行えるようにすることが重要となる。そこで、あらゆる水産有用種で利用可能な生殖幹細胞の“見える化”技術の開発を行う。申請者がこれまでに樹立した生殖幹細胞の細胞表面抗原に特異的な抗体ライブラリーを材料に、ユニバーサルな“見える化”技術の樹立を目指す。
|
研究成果の概要 |
代理親魚技術の実用化を目指し、A型精原細胞をユニバーサルに“見える化”する技術の樹立をするために、A型精原細胞の細胞表面抗原に対する抗体が認識する抗原分子の同定に着手した。マグロA型精原細胞特異抗体を用いた2次元電気泳動により抗原タンパク質の単離を行った。その結果、抗体陽性のスポット2つを分離することに成功したため、そちらを質量分析に供した。質量分析およびin silico解析の結果、合計26の膜タンパク質が同定された。その後のスクリーニングの結果、1遺伝子についてマグロA型精原細胞における特異的なシグナルを観察することに成功し、マグロA型精原細胞特異抗体の抗原である可能性が強く示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で魚類のA型精原細胞の細胞表面に特異的に発現しているタンパク質の同定に成功し、かつ本研究室が保有するA型精原細胞特異抗体の抗原である可能性が強く示唆された。本タンパクが当該抗体の抗原であると確認されれば、これは魚類において抗原として使用可能な分子を初めての同定したことになり、あらゆる魚種において容易にA型精原細胞の細胞操作を可能とするツールとなると期待できる。この4-5年間で生殖細胞移植に関する研究発表数は急増しており、本技術の水産、保全生物学の分野における貢献が世界的に着目されている。そのような背景の中、上述のようにあらゆる魚種に応用可能な細胞操作技術の波及効果は計り知れない。
|