研究課題/領域番号 |
20K22607
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梶 健二朗 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (60884252)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | PAR-2 / 癌内神経 / miR-34a / エクソソーム / 腫瘍内神経 / 肺腺癌 / 犬 / miR34a / プロテアーゼ活性化型受容体2 / microRNA-34a / 腫瘍 / 自律神経 / 癌内交感神経 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は犬およびマウスの癌細胞におけるPAR2の活性化が癌微小環境への交感神経浸潤に与える影響を解明し、交感神経浸潤抑制を機序とした新たな癌治療薬の創薬基盤の構築を目的とする。具体的には① PAR2が犬およびマウス癌細胞株のmiR-34a産生および神経細胞の分化に与える影響、② PAR2の活性化および抑制が癌組織における交感神経の増減に与える影響、③ 犬の癌組織におけるPAR2発現と交感神経密度が症例の予後に与える影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究はプロテアーゼ活性化型受容体2(PAR-2)のシグナルが癌細胞から放出されるエクソソーム内のmiR-34aの減少を介して、癌組織内への神経浸潤を促進するか検討することを目的とした。まず、PAR-2を発現するマウス肺癌細胞株LLCを用いた実験において、PAR-2の活性化は癌細胞内およびエクソソーム内のmiR-34aの減少に関わってた。さらに、LLC移植マウスモデルにおいて、PAR-2阻害剤の投与は有意に腫瘍内への神経浸潤を抑制した。以上のことから、LLCにおいてPAR-2はmiR-34aの減少に関わっており、その変化が癌内への神経浸潤を促進している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、マウスのみならず犬の癌においても同様にPAR-2がmiR-34aを介して癌内への神経浸潤に関与している可能性を見出した。これまでにヒト医療において癌内への神経浸潤が予後の悪化と相関していることは明らかとなっていたが、神経浸潤の詳しいメカニズムおよび癌内神経を標的とした治療の効果は依然として不明である。犬は癌の形成や免疫機構がヒトと類似しており癌自然発症動物モデルと考えられるため、犬でのPAR-2と癌内交感神経浸潤の関係を明らかにした本研究の結果は獣医療だけではなくヒト医療へと外挿できる可能性が高い。
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