研究課題/領域番号 |
20K22614
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0605:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
若林 嘉浩 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 畜産研究部門, 上級研究員 (00510695)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | フェロモン / 繁殖制御 / 鋤鼻系 / 雄効果 / 鋤鼻器 / 嗅神経細胞 / キスペプチン / 多ニューロン発火活動 / 繁殖 / GnRH |
研究開始時の研究の概要 |
ヒツジやヤギなどの雄効果フェロモンは、雄から分泌されて雌の繁殖中枢を活性化させ、性腺刺激ホルモン放出ホルモン/黄体形成ホルモン分泌促進を介して卵巣活動を賦活化する作用をもつ。これまでにヤギ繁殖中枢の神経活動変化を指標としたフェロモン活性生物検定手法を用いて、このフェロモンの主要分子の同定と活性化される脳内の繁殖中枢が、弓状核キスペプチン神経系であることを明らかにした。本研究では、雄効果フェロモンをモデルとして、未だ詳細が不明であるフェロモンの受容部位、脳内での情報伝達経路、繁殖中枢における効果発現機構に焦点を当てて、反芻動物の繁殖機能亢進作用を持つフェロモンの作用機序の全貌を解明する。
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研究成果の概要 |
ヒツジやヤギなどの“雄効果フェロモン”は、雄から分泌されて雌の繁殖中枢を活性化させ、性腺刺激ホルモン放出ホルモン/黄体形成ホルモン分泌を促進し、最終的に卵巣活動賦活化する作用を持つ。本研究では、この雄効果フェロモンをモデルとして、その受容部位特定とその情報伝達経路を解析した。鋤鼻器閉塞ヤギにおいて雄効果フェロモンの作用が認められたことから、このフェロモンの受容部位は主に嗅上皮であることが示された。また、ヤギでは鋤鼻受容体/Gi2発現嗅神経が嗅上皮に広く分布しており、その軸索は主嗅球へと投射していた。これらの神経細胞が、嗅上皮でフェロモンを受容している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、反芻動物の雄効果フェロモンという繁殖機能促進作用を持つ作用に焦点を当て、その作用機序解明を目指した。哺乳類のフェロモン研究は、主に齧歯類を中心に進展してきたが、本研究によりヤギ雄効果フェロモンは、主に嗅上皮で受容され、その情報は嗅球を経由することが示唆された。これらの結果は、哺乳類のフェロモン受容機構には大きな種差があることを示しており、学術的意義があると考えられた。また、本研究成果である繁殖機能を促進するフェロモンの作用機序の解明により、類縁であるウシの繁殖機能を促進するフェロモンを利用した繁殖向上技術開発のための基礎的知見となる。
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