研究課題/領域番号 |
20K22620
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0701:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
庄司 佳祐 東京大学, 定量生命科学研究所, 助教 (30880116)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | piRNA / ゲノム / カイコ / BmN4 / バイオインフォマティクス / transposon / piRNA cluster / bioinformatics / torimochi / Bombyx mori |
研究開始時の研究の概要 |
piRNAクラスター「である」ものについての解析は、特にハエやマウスといった生物で行われており、piRNAクラスターからの転写に必要な因子などは徐々にわかりつつある。また主にこれらの解析では、代表的なpiRNAクラスターに着目することで成果を上げてきた。これに対し、本研究で着目するのは、”新たにpiRNAクラスター「になる」とはどういうことか”である。Torimochiはカイコ個体ゲノムではpiRNAクラスターではない一方で、BmN4ゲノムではpiRNAクラスターとして、外来遺伝子をトラップしている。この差異を利用した比較ゲノム解析を行う。
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研究成果の概要 |
piRNAはゲノム中に存在する非自己因子であるトランスポゾンを選択的に抑制する。この際、piRNAクラスターと呼ばれるゲノム中の領域が一種の記憶装置として機能し、piRNAクラスター中のトランスポゾン断片からpiRNAを産生することでトランスポゾンの発現を抑制しているとされている。一方、現存する生物のゲノムを使った解析からは、”今現在”piRNAクラスターが存在することは分かるものの、どの様にして”新たに”成立するかは分からない。本研究では、種としては同一の、カイコ培養細胞ゲノム配列とカイコ個体ゲノム配列を比較することで、piRNAクラスターの"種"となりうる配列群を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カイコ培養細胞にはtorimochiと呼ばれるpiRNAクラスターが存在することが判明している。この配列は外来配列を捕獲し、そこからpiRNAクラスターを作るとして同定された。本研究では、このtorimochiが実は単一の大きなトランスポゾンであったことを明らかにした。さらに、カイコ培養細胞とカイコ個体のゲノム情報の比較によって、培養細胞において最も活発に転移しているトランスポゾンであることがわかった。そこで、同様に培養細胞において活発に転移しているトランスポゾンを複数同定することに成功した。今後は、これらの配列がpiRNAクラスター成立条件の解明の足がかりになると考えている。
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