研究課題/領域番号 |
20K22662
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0702:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
川波 しおり (赤羽しおり) 立教大学, 理学部, 助教 (70793355)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ミトコンドリア / ミトコンドリア分裂 / ミトコンドリア内膜構造 / クリステ構造 / MICOS |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリアは外膜と内膜からなる二重膜オルガネラであり、融合と分裂を絶えず繰り返し、膜構造を動的に変化させている。これまで、ミトコンドリア分裂については、外膜側からの切断機構について研究が進められてきたが、分裂と連携して起こるミトコンドリア内部構造の変化は考慮されてこなかった。近年、研究代表者は、ミトコンドリア内部構造の形成を司る因子が、ミトコンドリアの分裂にも関与することを見出した。そこで本研究では、ミトコンドリア内部からの自律的な制御に着目して分裂機構を解明することで、ミトコンドリア分裂機構の全容を明らかにし、二重膜オルガネラの分裂機構と内部構造の協調についての理解を目指す。
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研究成果の概要 |
二重膜オルガネラであるミトコンドリアは、膜構造を動的に変化させることで正常な機能を維持する。本研究では、ミトコンドリア内部からの自律的な制御に着目してミトコンドリア分裂機構を解明することで、二重膜オルガネラの分裂機構と内部構造の協調についての理解を目指した。分裂を引き起こす生理的条件として低酸素環境に着目して解析を行ったところ、マトリックスタンパク質の凝集が検出され、また、ストレス応答性転写因子の発現が見られた。低酸素下では凝集タンパク質を引き金としたストレス応答経路が引き起こされることがわかり、分裂機構におけるミトコンドリアストレス応答の関与が示唆される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでのミトコンドリア分裂の研究はすべて、細胞質からの作用による外膜からの切断に着目したものであり、分裂時における内膜構造の変化は考慮されてこなかった。また、分裂時における膜融合因子やクリステ構造形成因子の役割を検討した報告はなく、本研究が先駆けて行うアプローチである。本研究は、内部からの自律的な制御に着目してミトコンドリア分裂機構を解明することで、ミトコンドリア分裂の全体像を明らかにするとともに、様々な生物種の二重膜オルガネラにおける分裂の生理的意義の理解につながると考えられる。
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