研究課題/領域番号 |
20K22679
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0704:神経科学、ブレインサイエンスおよびその関連分野
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
浅井 裕貴 富山大学, 学術研究部医学系, 特命助教 (60883626)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 細胞集団 / 海馬 / 皮質 / 高次脳機能 / 学習 / 神経接続 / クラスター型プロトカドヘリン / in vivoイメージング / 免疫組織化学染色 / c-fos / in vivo多色イメージング / 顕微鏡 / アデノ随伴ウイルス / セルアセンブリ / 情報処理 / 神経活動 / cFos / カルシウムイメージング / 学習・記憶 / クラスター型プロトカドヘリンβ / CRISPR/Cas9 / 神経細胞亜集団 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は脳内の神経細胞集団による情報処理メカニズムの解明を目的としている。学習・記憶などの高次脳機能は単一の神経細胞というよりも細胞集団により達成されていることが近年わかりつつある。特に空間情報の記憶は、海馬の神経細胞集団に蓄えられているが、その細胞集団がどのように形成されるのかはわかっていない。本研究では、記憶情報を担う神経細胞集団は予め決められていると仮説を立て、その細胞集団形成に関わる分子群としてクラスター型プロトカドヘリンに着目した。この分子群で形成された神経細胞集団が神経活動時の基本単位として使われているか明らかにすることで、脳の情報処理の細胞レベルでのメカニズム解明を目指す。
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研究成果の概要 |
クラスター型プロトカドヘリン(Pcdh)の特定のアイソフォームを発現する細胞が海馬皮質間で機能的な接続をする可能性を示した。具体的には、新規空間探索学習により誘導された神経活動マーカーとPcdhの特定アイソフォームの共発現細胞数が皮質海馬間で有意に相関した。海馬上流の皮質におけるPcdhの特定のアイソフォーム発現細胞を人為的に活動させると、海馬の同一アイソフォーム発現細胞で神経活動マーカー発現が上昇した。 Pchdの特定のアイソフォーム発現細胞と神経活動を観察するためのin vivo2色蛍光顕微鏡法を確立し、細胞レベルでの活動にPcdhの特定アイソフォームの発現は影響しないことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により海馬皮質間での神経活動をする細胞集団が細胞接着分子により予め形成されている可能性が示唆された。これは学習などの高次脳機能時に活動する細胞集団がランダムではなく、発現する分子などで形成された細胞集団が活動時に使われている可能性を示すものである。本研究では、主に興奮性神経細胞に着目して機能的な細胞集団の形成に関して研究を進めてきたが、今後は抑制性神経細胞やグリア細胞といった他の細胞種も含めた細胞集団の形成・機能の研究や海馬皮質間で見られた機能的な接続がより広範囲な脳領域でも見られるか詳細に調べることで、脳内の情報処理メカニズムの解明が期待される。
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