研究課題/領域番号 |
20K22743
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0802:生体の構造と機能およびその関連分野
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森 紀和子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (10880081)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 近視 / オメガ3多価不飽和脂肪酸 / 近視進行抑制 / メタボローム解析 / 遺伝子改変マウス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はマウス近視誘導(lens induced myopia; LIM)モデルを用いて、ω3不飽和脂肪酸(PUFA)の近視抑制効果を検証することが目的である。マウスを人為的に近視誘導しLIMモデルを作成したのち、ω3PUFAを摂取させて近視が抑制されることを確認する。次にω3PUFAを体内で産生することのできる遺伝子改変マウスにω3PUFAを含まない餌を投与することでω3PUFAの近視抑制効果を証明する。最後に、各種マウスの眼球内成分のメタボローム解析を行い有効な脂肪酸分画を同定し、LIMモデルに投与して近視抑制効果を確認する。
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研究成果の概要 |
オメガ3多価不飽和脂肪酸(ω3PUFA)は、様々な疾病予防効果が証明されている。一方でその近視進行抑制に対する効果については過去に報告はなく、本研究ではその効果の検証およびメカニズムの解明を目的とした。本研究は、近視誘導モデルマウスを使用し、ω3PUFA摂取による近視進行抑制効果の検証、ω3PUFA固有の効果である証明を行い、さらに摘出眼球における脂肪酸分画を測定することでその有効成分がエイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid;EPA)代謝物であることを同定した。 本研究の成果は第3回近視学会総会にて発表し、国際医学英文誌での掲載も確定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近視人口の増加は世界的問題であり、近視予防法に関する研究は急務である。現在、近視予防法として、低濃度アトロピン点眼、オルソケラトロジー、二重焦点眼鏡などに一定の効果があるといわれている。一方、ω3PUFAは加齢黄斑変性、糖尿病網膜症などの眼疾患に一定の効果が証明されているが、近視予防に関する報告はない。ω3PUFAは青魚などに多く含まれ、容易に摂取可能である。本研究は、ω3PUFA摂取により近視進行予防に効果があること、EPAおよびその代謝産物に近視抑制効果があることを世界で初めて科学的に証明に至った点で傑出した成果を示した。これにより近視研究領域において強大なインパクトを与えたと考えられる。
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