研究課題/領域番号 |
20K22807
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0901:腫瘍学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
宮井 雄基 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90883538)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん / がん関連線維芽細胞 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 効果予測 / 効果増強 / がん間質 / がん免疫治療 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、様々ながんに対して免疫チェックポイント阻害薬の適応が拡大されているが、臨床上の問題点として「奏効しない(薬が効かない)患者」が一定割合いることが挙げられる。様々な手法による奏効率の向上が試みられているものの、現在までに確立した方法はない。本研究の目的は、免疫チェックポイント阻害剤使用時に高い奏効率を得られる可能性のある物質を取得し、臨床応用を視野に入れた検証をすることである。
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研究成果の概要 |
多くのがん関連線維芽細胞(CAF)は腫瘍微小環境を免疫抑制的に形成し、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の効果を減弱させる。一方で、Meflinを発現するCAFサブセットが多いと、非小細胞肺癌患者のICIに対する良好な治療効果と関連していることを見出した。さらに、腫瘍移植モデルを用いて、Meflin欠損およびCAF特異的Meflin過剰発現は、それぞれマウス同種腫瘍におけるICI治療反応の欠損および亢進を引き起こすことも報告した。これらの知見は、ICIの効果を促進するCAFサブセットの存在を示唆し、MeflinをターゲットとしたICIの効果を増強する戦略の有効性を示唆するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん関連線維芽細胞CAFはこれまで、免疫抑制性の働きをすると考えられてきた。私たちの研究は、Meflin陽性CAFがこれまで報告されたCAFと異なり、免疫チェックポイント阻害剤の効果を増強するような働きがあることが判明した。この研究により、CAFの機能と不均質性についての理解がさらに深まったと考えられる。また、Meflinの発現を上げるような物質を投与することで、免疫チェックポイント阻害剤の効果の増強が期待できるかもしれないということでもあり、現在開発を進めている。
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